県道65号を数分間クネクネと走っていたら、左手になんだか素朴な池と桜並木が
登場しました。あ、少し見学してみましょうかね。
さっきまでかなりワイルドな風景ばかりを見ていたので、ここで穏やかな景色でも
見て心を和ませましょうかね。


<弁財天の池>
12:09 弁財天の池

道は狭いよ

これはどこのサイトでも見たことのない祠だぜ。
しかしこれかどうかはわからないが、聞いたことだけならある。
昔、深沢峡の苔を煎じて飲んだら病が治った。そのため、祠を立ててこの地を祀る
ことにしたと。
そしてその祠は「霧ヶ滝」の脇から断崖を登ったところにあると。

これがそうなのかもしれないね。祠はもうグッチャグチャだけど。
興味はあるが、このまま立ち去ります。一度に全部を知る必要はないのだ。
謎は多少残った方が人生面白い。

12:00頃、イオの元へと戻ってきました。
では、ドライブ再開!県道352号を戻り、そして県道65号を東へと走ります。

朽ちた祠

ハシゴと祠

Chapter.1     Chapter.2     Chapter.3
飛水峡       深沢峡       寸又峡

Chapter.2  深沢峡


4.17

<道の駅 夢さんさん谷汲>
5:00 起床

春になったとはいえ、ここは岐阜県の山間部。寒い。絶望的に寒い。
気温は2℃だってさ。めげる。起きる気力が萎える。
しかし、頑張って「淡墨桜」を見に行くぞ!

空が白む

5:13 出発

目指せ、日本最大桜の最後の1つ、「根尾谷の淡墨桜」。開花情報は今までこまめ
にチェックしてある。すでに満開であることも当然知っている。
そして天気予報によると今日は快晴。
絶好の花見日和なのだ。期待に胸膨らむー!ときめくー!

まずは県道40号を東に、昨夜の道を少し戻る。
そしたら今度は国道157号で「根尾川」沿いにグングン北上します。
この道、桜の季節は大渋滞するらしいけど、この時間なのでスイスイです。
信号もなく、とても走りやすい。

国道157号

県境の山々

途中、遠くに雪をかぶった山々が見える。
あれはここ岐阜県と福井県との県境の山々だな。「能郷白山」とか、その辺か。

この国道157号、ここはまだ平和だけど「根尾谷」を超えると道幅が一気に少なくな
り、舗装すらなくなる有名な"酷道"の1つです。
特に福井県との県境前後は修羅場だそうなのだ。

過去、それを知らずに僕は真冬にこの国道から単身福井県を目指そうとして断念し
たことがありました。無知って恐ろしいね。


<根尾谷の淡墨桜>
まだこの時間なので、複数ある駐車場の中でももっとも桜に近いところに駐車する
こができました。
しかし、決してガラガラだったわけではない。その駐車場はもう満車寸前だったよ。
みんなここで車中泊していたのか?

5:39 根尾谷の淡墨桜

で、ここでいきなり桜を見に行くのはあまり賢くないです。
日が昇っていないのに見に行っても、感動半減ってヤツです。
みなさんもう続々と動き出しているが、僕はゆっくり洗顔や身支度を整えます。
それから地図を見ながら今日のこの後のプランを練ったりします。急がば回れ。

6:10くらいになると、もう僕の周辺の駐車場はごった返してきました。
みんな駐車スペースを探して右往左往しています。

6:20、淡墨桜が植わっているであろう山の斜面にも朝日が当たりだしました。
ここで僕は動き出します。
うわー、外は寒いね…。

周辺にも桜がたくさん

数分丘を登ると、「淡墨公園」っていう、ぶっちゃけ普通の田園風景みたいな広場に
出る。中央にドーーン!と鎮座しているのが淡墨桜ですな。
しかし落ち着け。
まずは周辺の桜でも撮影しながら心を落ち着かせよう。これらも十分綺麗。

そして、次に淡墨桜に接近。うわー、デカい!これが念願の淡墨桜!

根尾谷の淡墨桜

淡墨桜はエドヒガンザクラ。
この桜の花は満開のときは白で、満開の終盤から散り際にかけては淡い墨色に変
化するんだ。だから淡墨桜っていうんだよ。

今は満開から3日ほど経過しているから、若干墨色になりつつあるようなタイミング
かな?

年代を感じる幹

石柱と一緒に

樹齢は1500年。幹はボコボコでズングリしていて、かなりの樹齢であることが一目
で感じとれます。枝もたくさんの支柱に支えられているしね。

樹高:16.3m、周囲:9.9m、枝張り:約25mです。
幹の老化は結構深刻で、内部には空洞ができていてそれも広がりつつあるらしい。
だけども樹木医始め、みんなで頑張って保護しているからこそ、今年もこうして花を
咲かせてくれているんだね。感謝。

いろんな角度から淡墨桜

そうそう、これで僕はようやく日本三大桜を全制覇できたんだよ。
しかも全部快晴、全部満開!
ちなみに後の2つは「山梨・お花見ドライブ(3-33)」での「山高の神代桜」と、「初ドラ
イブ・三春滝桜(2-1)
」での「三春の滝桜」です。どちらもすごいいい桜だったよ。

太陽が登り始め、桜も一層青空に映える。いろんな角度から写真を撮りました。
いいなー。やっぱ桜っていいなー。日本の四季っていいなー。
元気のない震災後の日本だけど、なんかこの桜を見ていると心から「日本に生まれ
て良かった」と思えるよ。

あと、ちょっと離れた丘に駆け上ったりした。
そこは「能郷白山」と薄墨桜が一緒に見える隠れスポットだったりして、マニアックな
カメラマンが数人いるだけだった。
ゴツいカメラと三脚を携えたマニアックな人たちに交じり、壊れかけのコンパクトカメラ
のYAMAも一緒に写真を撮った。

淡墨桜&能郷白山

人が増えてきた

30分ほど滞在しているうちにずいぶん人も増えてきた。
もうすぐ7:00だ。そろそろ撤収しましょうかね。
駐車場はもうグッチャグチャの大渋滞で警備員もパニック状態。
ここは素早く立ち去りましょうね。


ここからは国道418号を使って南東の美濃方面に向かいます。
ところどころ狭い区間のある、ちょっと走りづらい道です。
次は、さっき日の出を待っている間にツーリングマップルで見つけた「寺尾ヶ原千本
桜」に行こうと思います。

国道418号

20数km南下したところで、次は県道196号。道はさらにローカルになります。
しかしのどかでいいねー。こういう山間部の道は大好きです。
右側を流れる渓流も涼しげだ。

山間の細い道

<道の駅 ラステンほらど>
7:35 道の駅 ラステンほらど

さっき乗り換えた国道256号で道の駅を発見。
緑に囲まれた農村地帯にポツンと佇んでいる道の駅。
まだ朝早いし何も施設はやっていないので、とりあえずトイレだけ借りておくわ。

ラステンほらど

そのあとは国道256号から県道81号・県道59号とコミカルに山中の分岐を経由し、
いよいよ桜並木が始まりました。

どこに駐車すればいいのかなーと走っていると、桜並木の中に無料駐車スペース
が出てくる。
あまり広くないスペースだけど、2・3台分の空きがあったのですんなりとイオを停め
ることができました。


<寺尾ヶ原千本桜>
8:00 寺尾ヶ原千本桜

駐車場の右も左も桜のトンネル。おぉ、華やかだなー、ここは!

道路沿いの桜並木

ここの桜並木は道沿いにビッシリ2000本。すっげ、千本桜なのにその倍も頑張って
植えたのですね。
終戦後、平和を願って地域住民が300本くらい植え始めたのがきっかけだそうだ。
飛騨・美濃さくら三十三選にも入っているんだって。
へぇ、そういうくくりは初めて聞いたけど。

模擬店も立ち並ぶ

桜並木&YAMA

まだ人はまばらです。並木を散歩したり、ちょっと寒そうに桜の木の下のレジャーシ
ートを敷いたりしている。
僕もしばらく桜並木の下の芝生に座り、ボンヤリと頭上の桜を見上げながら物思い
にふけっていました。平和ー。

それから、ふと「腹が減ったなー」と思い周辺を徘徊してみるのだが、模擬店はどこ
もまだ営業していなかったです。
このあとどこかのコンビニで朝ご飯でも食べるかなー。
そういや昨日の夕方くらいからコンビニ1軒も見かけてないっすね。


このあとは引き続き県道59号を南下していたら、国道418号に再合流しました。
あ、お久しぶり。

8:45、国道沿いの武芸川ってところって久々にコンビニを発見。
川沿いののどかな田園風景の中にあるコンビニでした。
ここで軽く朝ご飯を済ませます。

このあと国道418号・国道248号を使って美濃太田へ到着。
美濃太田っていうのは、昨日の午後に「日本ライン」とか見ていたあたりね。
「木曽川」を渡って国道21号を東へと一直線です。

美濃太田付近は都市部なので結構混雑しててウゲーってなったけど、ここからは
爽快ドライブですよ。

青空と桜

次の目的地は「深沢峡」です。極々一部のマニアに熱狂的な人気がある、少しヤバ
目なスポットですね。

ずーっと果てしなく東に入っていると、鬼岩っていう小さい温泉街みたいなところへの
分岐が出てきました。
ちょっと興味を持ってえらく狭くて急な小道を下ると、数軒の温泉旅館が立ち並んで
いるエリアへと出ました。
ちょっと車を停めてみましょうか。


<鬼岩公園>
どうやら僕が車を停めた3台分くらいの狭い空き地は、鬼岩公園の駐車スペースのよ
うだ。鬼の生首がとんでもない表情でこっちを睨んでいるっす。怖いっす。
じゃあ、この公園を散策しましょう。

10:00 鬼岩公園

田園地帯を突っ走れ

鬼の首

公園内を散歩

鮮やかな花

鬼の首は随所にあるね。みんな表情違うね。
そして公園内は綺麗に整備されていて歩いていて楽しい。公園というより、庭園って
感じなのかな?
"恐ろしや次月の里の鬼すすき"っていう句碑があった。

あとね、この場でツーリングマップルで調べてみると、ここのコメントとして『岩穴潜り
はスリル満点』と書いてある。
えっ、なんか潜れるの?スリルを味わえるの?楽しみですな、こりゃ。

岩屋くぐりの説明

一部立入禁止?

山は春色

さらに進むと岩穴潜りの詳細説明の看板が出てきた。
どうやら「岩屋くぐりコース」っていう名前らしいです。

スゲースゲー!
なんか連なった大きな岩が1つの細長い洞窟を形成しているんだね。
入口・出口・真ん中の3箇所に緊急通報ボタンがあるぞ!デンジャー!
そして子供や老人は立入禁止だって。こりゃなかなかに気合が入っている。

しかし気になるのは、『7月15日の豪雨により、一部立入禁止』という貼り紙。
いつの7月15日だよ。今は4月だぜ。ということは、直近でもも2010年7月。
つまりは9ヶ月は立入禁止のままの箇所があるというのか。
岩屋くぐりだけは無事でいてほしいぞ…。

ガーン…!

はい、不安的中ー!入れませーん!遠くから岩を眺めるのが精いっぱいです。
あーあ、入りたかったなー。ここの目玉なんでしょ?この岩屋くぐり。
どこかからちゃんと中が見えないかなーとウロウロし、出口付近からは洞窟が良く
見えることを発見。

岩屋の入口

岩屋の出口

見上げれば巨石

出口から覗き込むと、ハシゴが見えた。かなり急だ。ここを登って脱出してくるのね。
無理矢理入ってみたい衝動にも駆られるけど、それはマナー違反だよね。
それにこの震災直後の世の中。
余震もまだ多い状態なので、コッソリ入って中で非常事態になっても誰も助けに来
てくれないもんね。残念だけど、ここは諦めましょう。

岩屋には入れなかったけど、周囲の景観は素晴らしかったです。
それだけでも散歩した意味があった。


改めて「深沢峡」に向かう。
使おうと思っていたアプローチルートが土砂崩れで通行止めで、町道を使って迂回
したりとなんやかんやです。

県道352号

町道を走る

「木曽川」に向かって北へと伸びる、県道352号。
しかし看板には2.5km先で車両通行不能と書いてあります。
うん、この先なんだな、「深沢峡」は。2.5km先からが試練の道のりですね。


<深沢峡>
車両風向不能の看板と共に、県道はチェーンで塞がれました。
ここまでですね、車で来れるのは。
僕の持っていた上方ではさらに先にあるガードレール3枚重ねのバリケードまで行
けるハズだったんだけど、これも時代の流れね。しょうがない。

10:45 瑞浪市衛生センター前

車はここまで

じゃっ、イオはここでしばらく留守番な。この先は僕1人で歩いて行くぜ。

渓流沿いの県道を2・300m歩いていると、他サイトで見覚えのある有名な3枚重ね
のバリケードが見えてきました。
よっしゃー!なんか感動!

廃道を歩く

3枚重ねのガードレール

さらに歩くと今度は念押しの2枚重ねのガードレールのバリケード。
それを超えると県道は一気に狭くなり、そして荒れだします。
途中で派手に路肩が崩壊していて、道の幅が半分くらいになっていたしな。
由々しき事態です。

ほぼ山道

大崩落ポイント

深澤峡記念の碑

ここいらは県道の左側の下方数10mにずっと深沢峡の渓流が見えています。
木立が邪魔してあまり景観は良くないけど。
途中でボロボロに風化して読めない石碑が登場。しかし『深澤峡記念』って書いてあ
ることを僕は知っています。

さて、ここで深沢峡についてちょっと語りましょう。
深沢峡は「木曽川」に出来た渓谷の1つ。1980年代までは観光地でした。
この道も車こそ通行できなかったとはいえ、多くの観光客が歩いて渓谷に向かって
いました。

しかし1987年頃、観光の衰退などもろもろの事情によって深沢峡はその歴史を閉じ
る。それと共にこの県道352号も封鎖されました。
もともとこの地区は土砂崩れが多かったことも理由の1つかな?

だけどもさらに大きい理由として、新丸山ダム計画がありました。
1980年頃からささやかれていたこの企画。
二転三転してずっと延長され、ついに2010年にはダム計画正式発動となりました。
…と思ったら鳩山政権が終わり、また凍結したのだ。

この県道352号が通行止めのまま復旧されずに放置されたのも、「どうせもうすぐダ
ムに沈むしー」という理由があったと考えられています。

ちなみにもしここにダムができたら、ここから先の道は全部水没します。
またいつダム開発が始まるかわからないけど、もしかしたら一生に一度の訪問。
しかも目に焼き付けるぜ。

公衆トイレ

途中で下り坂のヘアピンカーブが登場。そこに出てくるのがこのトイレです。
便器、メチャメチャに破壊されています。イヤー。

今年の初頭には、なんか毎日トイレを掃除するとべっぴんになれるような歌詞の歌
が流行したじゃないですか。
僕はこんなトイレを掃除するくらいなら、ブサイクのままがいいっすね。


<「いさまつ」>
11:00 「いさまつ」

さぁて、伝説の物件が木立の間から現れましたよー。
やっぱ最初に見たときは、その異形とアンマッチ感にドキッとしたさ。
「いさまつ」、登場です。

廃屋が現れる

玉田医院の看板

「いさまつ」は、今も昔も深沢峡を語る上で欠かすことのできない存在。
観光客を相手にしていた、かつての茶屋です。
ま、まずは現状視察から行きましょう。

正面入り口付近に掲げられているのは、「玉田医院」の看板です。
「玉田医院」は今でもあり、記載されているお医者さんもご健在とのウワサです。

廃屋とはいえ、以前は生活の場。生活のにおいの残っているところに土足でズカズ
カ踏み込むのは僕はちょっと苦手です。
だから正面左手から「いさまつ」を回り込む。
そうすると空いている扉から中の様子が少し見えました。

いさまつの内部

結構家具とか普通に残っていそうな雰囲気ですね。
奥の座敷のその向こうはもう断崖絶壁で、その窓の外は切り立った渓谷。
いい景色を眺めながらお茶をできたのだろうかね。

「いさまつ」。
それは深沢峡と共に栄え、深沢峡と共に歴史に幕を閉じた、名物茶屋。
陽気なおかみさんが1人で切り盛りしていたらしい。
初期は電気も郵便も届かないこの地で頑張って営業していたらしい。

最初の写真で写っている地上部分は実は3階です。
観光客相手に茶屋をしていたフロアです。
裏手に回るとわかるんだけど、崖に沿って1階と2階が存在します。
そこでは民宿をしていたし、さらに道を降りたところにある貸しボートの営業もしてい
たんだそうだ。

1987年、おかみさんの病死と時を同じくして深沢峡も観光地としての終焉を迎える。
それ以来の24年、深沢峡も「いさまつ」も、ゆっくり朽ちて緑に飲み込まれていって
いるのだ。

いさまつ&深沢峡

1階から3階を見上げる

では、さらに県道を先へと進みましょうかね。もうここまで来ると木とかが普通に倒
れて道をふさいでいたりするし、落石も多い。
だけども関係ないね。乗り越えるだけよ。

すると木々の向こうから赤い吊り橋がチラリと見えてきました。
うおーー!「五月橋」だ!!

五月橋、出現!

深沢峡の景勝美

「木曽川」に架かる真っ赤な吊り橋、「五月橋」。あれが深沢峡のハイライトです。
綺麗な赤だなー。カッコいいなー!

橋好きの僕は興奮です。早くあそこに行かねば!そして橋を渡らねば!
山道をスピーディに駆け下りていきました。もうワクワクだよ。子供のころのように。


<五月橋>
11:15 五月橋

廃橋、五月橋!

五月橋&YAMA

長さは123m。ガッチリとした強固な作りです。
現に今までこの県道352号や川の北側にある国道418号が復旧できないほどズル
ズルに破壊されるような災害が来たというのに、この橋は健在だもんな。

しかし。もしまた今後新丸山ダム計画が動き出せば、この橋はおろか「いさまつ」ま
で全部水の底に沈むんだよな。切ないぜ。
では、橋を渡ってみましょうか。

スケスケですよ!

橋の上からの深沢峡

はい、橋の上の足場は全部グレーチングです。メッシュです。川面が丸見えです。
本来の橋床は長い年月の間にどっかに行っちゃったんでしょうね。ま、無いものは
しょうがない。

しかし歩くとカタカタいいますよ。
仮に落ちたら大ダメージだし、僕の場合は岸まで泳ぐうちに力尽きるかもしれない。
まぁ落ちた後のことは落ちてから考えますか。

間もなく橋の対岸に近づきます。
しかしチェーンが張ってあって向こう側には行けません。
チェーンぐらい潜ればいいけど、いい子のYAMAは社会のルールは守っておこう。
でもチェーンの向こうには、反対側を向いた看板が立っているので、首だけ突き出
して何が書いてあるのか確認してみる。

対岸に看板が…

通行止!

おいおいおいおい。僕、通行止の向こう側から出現してしまったよ。
てゆーか看板をこっち向きに設置する意味がるのかな?

この先は国道、否、酷道418号の数10年不通が続く大崩落地帯。
酷道マニアにとっては聖地だけど、一般人の来るところじゃあないよな。
じゃあ、僕は酷道マニアではないので、チェーンを乗り越えずにここでまた橋を渡
って引き返します。

橋の上からはさっきの「いさまつ」が見える。
気持ちがいいのでここで軽くお昼ご飯にしようかな。
さっきコンビニでパンを買ってあったので、橋のグレーチングに座り込んで、カバン
から本を取りだし読書をしつつ「いさまつ」を見つつ、パンをかじりました。
いい気分ー!

橋の上でのランチ

対岸のいさまつ

そして来た道を戻る。「いさまつ」の前も通る。
このあたりで「ん?何かを忘れてないか?」ってなりました。

「霧ヶ滝」だ。深沢峡には滝があるとの情報をキャッチアップしてきたが、その滝を
まだ見れていないぞ。
どこにあるんだろうか。見落としていたのだろうか。
心当たりがあるとすれば、一点。ボロボロのトイレの近くに分岐があったはずだ。

帰り道、トイレの近くの分岐に入ってみる。
ちなみにここは昔は朽ちた鳥居があったらしいけど、現在は消滅してます。
道はもう獣道レベル。よくわからん。

滝はこっちかな?

渓流に出会う

階段発見

この「霧ヶ滝」って「いさまつ」や「五月橋」に比べて極端に情報が少ないんだよね。
ホントに情報不足。
テキトーに歩いて着くのかな?むしろ明確に道が無くなっていて着かないのであれ
ばそれでもいいんだけど。…と思ったら茂みの中に続きの道を見つけちゃって、嬉
しいやら悲しいやら。

しかしなんだか滝のような音が聞こえてきたよ!
でも、道が無くなったよ!この岩の向こうか?よじ登ればいいのか?

ここを登るぜ!

落ちる落ちるー!

<霧ヶ滝>
11:45 霧ヶ滝

見えたー。全部は見えないけど、これ以上進むのは危険だから、ここからの眺めで
ガマンしましょうかね。
落差15m、二条に流れ落ちる美しい滝でした。

霧ヶ滝

いやー、面白かったな。ホクホクしながら県道をまた引き返します。
とある場所で、「五月橋」が見下ろせた。行きには気付かなかった場所だ。
この場所からの「五月橋」の写真、よく目にするよね。最後にこの場所を発見でき
て良かったな。

序盤に通った大崩落地帯まで戻ってきました。ここから見下ろす渓流が、さっきの
「霧ヶ滝」の真上くらいなんだろうか。

そんなことを考えながら渓流を見ていると、ふと不可解なものに目が留まった。
…ハシゴ。
いや、ハシゴは行きのときにも気づいていた。誰かが捨てたのかなーくらいに思っ
ていた。しかし違った。

ハシゴ、たぶんちゃんと設置してあるつもりだ。その先には石碑?
さらにその先のガケの上には崩れた祠?凄いものを見てしまった。

さらば五月橋

池の上に桜が咲く

池のほとりのイオ

いいわー。このローカルさがいいわー。
駐車場は無し。家の脇には小さくて古い休憩所兼売店があるけど、本日休業。
もしかしたらもう数年営業していないのかもしれないようなくたびれ方。

池には桜の花びらが浮かんでいて、とても綺麗だ。ジュンサイやカキツバタの自生
地らしい。
名前の通り弁財天を祀っていて、池の真ん中の小島のお堂を覗くと小さな弁財天が
いました。なんか手が6本あって阿修羅かな?って思ったけど、僕は小さいことには
こだわらない性格なので、追求しないことにした。

お堂の中の弁財天

少しアプローチは大変だけど、ここから直線距離で20kmくらいのところに日本一大
きい水車があるのですよ。
存在は数年前から知っていたけど、訪問する機会が無かった場所。
そこに行ってみましょうか。

県道65号で、中央自動車道をくぐり、山間部の県道66号・20号・33号とコミカルに乗
り換える。直線距離だと20kmでも、すごく迂回しないと到達できないので走行距離
はそれなりですな、これ。

瑞浪市の山間部

<道の駅 おばあちゃん市 山岡>
日本一大きい水車のある道の駅です。"おばあちゃん"だなんていう単語が入った
道の駅はここくらいだもんね、そりゃ数年前からしっかり覚えてますわ。
その名の通り、本当におばあcyなんが中心となって営業しているらしい。
大人気でさ、駐車場は大きいのに満車で数分待機を余儀なくされた。

13:14 道の駅 おばあちゃん市 山岡

日本一の水車

興運橋

もともとここ山岡町では水車を多く活用していてね。陶石を砕く用として石粉水車が
使われていたんだってさ。
しかしとなりに小里川ダムが建設され、水車の多くが水没対象エリアとなってしまっ
た。しかし山岡のシンボルとして残そうと、ダム建設と同時期にここに仁保日大きい
直径24mの水車を作ったのだ。

この水車ができたのは2004年。
それまで日本一大きかった水車は埼玉県の奥地にあり、直径23mです。
僕はそれを2年前の「秩父ドライブ(3-65)」で見学していますね。

水車の脇には三連石橋の「興運橋」があります。
ダムの水没前にここに移設してきたらしいのだ。三連アーチだが、その3つとも形状
が違うという非常に珍しい橋です。

五平餅

今後の方針、決めました!

道の駅から小里川ダムを眺めたり、売店で五平餅を買って食べたりしました。
食べながら今後のルートを考察する。もう大体目的は達成しちゃったもんな。

ここで思いついたのが、峠道を超えながら東海地方の山間部を静岡県まで行くプ
ラン。ここまでも山間部が多かったから、このまま山籠もりしちゃいましょう。

東海地方って南アルプスだとか何気に険しい山が多くて、横断には海沿いの国道
1号や東名高速道路が使われるのが一般的です。
それ以外の横断路は実用的とは言い難い。すさまじい峠越えになります。
今回はせっかくなのでその峠越えをしようかと。


よしっ、では出発だ。このまま山の中を東に進むぜ。
県道33号を東に行くと、国道257号との合流地点近辺に「岩村の町並み」っていう、
農村景観日本一の称号を持つ町並みがある。そこを見てみよう。


<岩村の町並み>
14:00 岩村の町並み

古い町並みが残る

あ、すまねぇ。ちょっと期待していたのとは違ったわ。
これ、農村じゃなくて商家だよね。農村景観ではない。スポット間違えたか?
まぁいいや、チラチラ見ながら通過しましょう。

※農村景観も別途あるみたいでした。「農村景観日本一展望所」の存在とか、後日
  知りました。


国道257号を少し東に行くと、「岩村城跡」があるという。
看板に従ってハンドルを切りました。
うおぉぉう、すごい勾配だな。狭いし未舗装だな。

城跡に続くダート

<岩村城跡>
14:20 岩村城跡

出丸跡が比較的広い広場になっており、そこが駐車場でした。
遠くに岩村の町並みがチラッと見えたけど、遠すぎ。木立も多いので、標高の割に
は展望はイマイチでした。

岩村の町を遠望

隣は本丸跡

次の本丸を登ってみました。
うん、まぁまぁです。予想通りの眺望でした。可もなく不可もなく。

ちなみに岩村城は日本三大山城の1つ。
標高717mもあり江戸時代の城としては最高所に位置する。さらに180mの高低差に
築城されていて、攻略が非常に難しかったそうだ。

1185年にこの地に最初の城が築城されてから明治に廃城されるまでの700年間、ず
っと1つの地に城が存続していたというレアケースなんだって。

本丸から

<道の駅 上矢作 ラ・フォーレ福寿の里>
酷道257号沿いにある道の駅。なんか一気に洋風建築だ。混乱するぜ。
とりあえずトイレを借りただけ。先を急ぎましょう。

14:42 道の駅 上矢作 ラ・フォーレ福寿の里

福寿の里

再び国道418号単独エリアです。今日は1日中国道418号と着かず離れずだね。
岐阜県と長野県との県境を目指し、バリバリ標高を上げていきます。
ツーリングマップルには『ところどころ道が狭いので走行注意』と書いてあります。
バイク向けの地図でそう書いてあるのだから、四輪はさらに注意せねば。

長野県に向かって

<大平不動滝>
狭い峠道に突如として不動滝駐車スペースっていうのが出てきた。
国道沿いに滝があるのだが、道が狭いのでここに車を停めてしばらく歩いていくれ、
という意図みたいだ。よし、見る。

15:02 大平不動滝

かなりの激レアな滝で、紹介しているサイトも少ないです。
地元に古くから住むお年寄りしか知らなかった、落差40mの幻の滝。
2009年11月に周囲を覆っていた木々を切り、初めてその全容が明らかになったそう
です。
国道沿いを100mほど歩くと、その勇姿を眺めることができます。

Chapter.1     Chapter.2     Chapter.3
飛水峡       深沢峡       寸又峡











お披露目からわずか1年半の滝

さらに峠を登っていると、工事の看板が立っている。どうやらタイミングによってはこ
こ岐阜県から長野県に入れなかったみたいだ。
危ない危ない。そして看板、わかりづらい。表記ゴチャゴチャしている。

今日は長野に行けます!

<福寿の清水>
岐阜県と長野県の県境に湧く、湧水スポットで車を停めました。
標高は800mちょい?結構涼しいね。

15:18 福寿の清水

ここで水を汲んでおきました。コンビニとかここのところ全然見かけてないからさ、貴
重な飲み水です。

湧水ゲット!

こんにちは、長野県

<道の駅 信州平谷>
15:33 道の駅 信州平谷

うぅ、肌寒いー。長野県に入ったら雲が多くなっちゃったぞ。曇った。
近くにJAが見えたので、そこに立ち寄り夕食用のパンを購入しました。
この先、まともな店がある保証がない。このまま山中で夜を明かす可能性が大で
すからね。買えるところで買っておかないと。

平谷村の道の駅

<道の駅 信州新野千石平>
さらに国道418号をひた走り、標高1164mの「平谷峠」とかをグネグネ越えながらこ
こまで辿り着きました。夕方になってきたね。

16:09 道の駅 信州新野千石平

地元のお祭りである新野雪祭りに登場される最高位の神様、"幸法"のオブジェが
迎えてくれます。

ここで地図でルートチェック。このあたりでお風呂に入っておかないと、さらに深い山
の中に入っちゃうのでお風呂絶望的ということがわかりました。
ちょっと寄り道になっちゃうけど、車で20分ほどのところにある「かじかの湯」を経由
して行こうと思います。

幸法

立派な造りの道の駅

ここからはお風呂に入るため、国道418号を離れて国道151号を北上します。
通称「祭り街道」。道沿いには民俗芸能が数多く残っているらしい。
そんで道はやっぱりクネクネ。


<「かじかの湯」>
16:40 「かじかの湯」

阿南温泉・かじかの湯

山間にあるけど規模が大きく、温泉・キャンプ場・レストランなどいろいろある総合施
設です。
お湯は少しヌルヌルしていて気持ちがいい。露天風呂からは桜と「門原大橋」が見
えるなかなかのロケーションでした。

お風呂上りにビールを買っておいた。あ、もちろんここで飲むわけじゃないよ。
夜に飲む。だけどもこのままじゃぬるくなっちゃうので、小さい袋に入れたら車のサイ
ドミラーにガッチリ縛り付ける。
外気が寒いので、このま走ればきっと冷たいままでしょう。


県道244号・1号を使いながらまた国道418号を目指し南下します。
途中から「天竜川」に合流。道は結構ワイルドです。

天竜川ギリギリ走行

なんですか?

廃橋の支柱ですか?

急げ。でないとヤバイところで日が暮れる。
このあと出てくるのは今日の最後の試練、「ヒョー越林道」。コイツを攻略しないと静
岡県には入れません。しかし林道の中で夜を迎えるのは避けなければ。

素掘りのトンネル

ヒョー越、近付く

深山にいざなわれる

国道418号に戻り、国道152号に乗り換えて南下する。
まっすぐ東には静岡県の中川根町があるのだが、その間には南アルプス。
車道なんて存在しません。だから南アルプスを南から大きく迂回するのです。

国道152号でアルプスを迂回するのだが、国道152号も燃えつきます。
長野県と静岡県との県境、「青崩峠」。この周辺は国道が寸断されています。
トンネルを掘って国道を繋げようとしたんだけど、あまりの崩落の激しさにトンネル
技術が太刀打ちできず、不通のままで諦めちゃったのです。

その不通区間をトラバースするのが、これから通る「ヒョー越林道」です。
いよいよ近付いてきたぞー!

トンネル技術敗退区間

「ヒョー越」は、その昔"武田信玄"が遠州に向かって兵馬を進めた道のり。
信玄さん、僕に力を。
暗くなりつつある細い林道をイオで駆け上ります。交通量はゼロです。
時折南アルプスの大展望が目の前に広がります。晴天の日中だったらすごいだろ
うなぁ。

ヒョー越林道

<兵越峠>
18:22 兵越峠

うっしゃ!なんとか暗くならないうちに峠の山頂までは来れましたよ。標高1165m。
ここから先は静岡県です。
峠、展望は全然開けなかった。歩いてもう少し上まで行ける道があり、そっちに行く
ともしかしたら景色が見えるのかもしれないけど、もうこの時間だからやめておいた
方がいいね。

この兵越峠には、"峠の国盗綱引き合戦"っていう毎年行われるイベントがありま
す。文字通りやることは綱引き。
しかし長野側と静岡側で行い、勝った方に県境が1mずれるんだって。
こりゃ本気にならざるを得ませんな。面白そう。


ほとんど真っ暗になりつつある峠を駆け下りて、国道152号に再合流。
静岡県の水窪地区に入りました。

水窪!すごい思い入れのある地名だ!
去年の夏の「池の平・幻の池(3-93)」の冒険の舞台。
12年ぶりに数日間姿を現した山奥の幻の池を追い求め、オフィシャルには不可能
と断言されたその池を見るために心血を注いだのだよ。懐かしい。

兵越峠&YAMA

長野県から静岡県へ

兵越峠降下中

そして水窪へ

19:00 水窪文化会館前

ここに広い駐車スペースがありました。
「天竜川」沿いで、対岸は桜並木がボンヤリとライトアップされている様子。

ここで今日は寝ます。
イオを車中泊スタイルにし、さっき温泉で買ったビールで飲み会開始。
夕食はパン1個とお菓子。ちょっと貧乏だね。

飲みましょう

天竜川のほとり

20:30 就寝