桃岩荘からの猫岩

ここで"てっちゃん"という、バイクで北海道を走り回っているライダーと出会う。
明日は8時間コースを歩く予定なんだって。

「見返り坂」の上部のほうに、フラフラと歩いている人影が2つ見えました。
バイオハザードチックな動きなのでゾンビかな?と思ったら人間でした。
うわー…、疲れ果てています。
ヘルパーが手を振ったり呼びかけたりお出迎えの歌と踊りで歓迎しているのにそれに
答える元気も無いっぽいです。
ちなみに、今日は強風なのでヘルパー達は屋根に登ってのお出迎えはできていませ
んでした。普通に桃岩荘の前でお出迎え。

てゆーか今日8時間コースを歩いたのはたったの2人ですかぁ!?
そりゃいろいろと厳しいものがあるかもしれないね。
去年僕が歩いた日なんて30人近くいたもんなぁ。


長い時間をかけて2人はようやく桃岩荘前に到着。
みんなで「おかえりなさーーい!!」と盛大な拍手。
8時間コースから帰ってきたおじさん、「6年前にチャレンジして挫折した8時間コース、
今回ようやく完歩できて悲願を達成できました!」と感無量な表情でした。
やったね!お疲れ様!

桃岩荘外観

てっちゃん&Tさんとお出迎え

食事はセルフサービス。とても質素です。北海道の海の幸もありません。
メニューも数種類をひたすらループさせるだけです。
でも桃岩荘のご飯に質は求めていないし。今回も外食でウニとか食べる予定です。
食後の食器洗いや食器拭きもセルフです。


18:30頃、食事の片づけを終えるとヘルパー達が外で歌っているのが聞こえました。
あ、今日の8時間コースのメンバーが帰ってきたんだね。
Tさんと一緒に外に出てみた。

※8時間コース:礼文島を徒歩で最北端から南部の桃岩荘まで歩くトレッキングコー
  ス。大体11時間かかる。疲れるけど一緒に歩いた人とはかなり仲良くなれる。

夕食

礼文島旅行2009

2009.7.17-20
走行距離:-km
実行人数:1名

今回で3度目のとなる日本最北の島「礼文島」
8時間コースを歩き、桃岩荘で歌って踊る!

高原と海が同居する島

※今回のエピソードには愛車の「bobBy(ボビー)」は登場しません。

1年前の「礼文島旅行2008(3-41)」。
日本最北の町、稚内の市街地にある「うぶかた」という食事処で僕は旅を共にしたメン
バーと別れた。

"ニュートン"・"リーダー"・"ゆき姉"、素敵な思い出をありがとう。
もう2度と会えないかもしれないけど、もしまた会えたら今回の旅の思い出を語りながら
酒でも飲もうじゃないか。

「いってきまーーす!!」と手を振り、僕は稚内駅に向かって歩き出す。
「いってらっしゃーーい!!」と彼らが答えてくれる。

バイバイ、みんな。
カラッと晴れ渡った日本最北の青空を見上げながら、僕の2008年の礼文島の旅は終
わりを告げ、東京行きの飛行機で飛び立った。



…そして、あれから1年経った2009年7月17日。
僕は再びみんなと別れた食事処「うぶかた」の前に立っている。
これから1年ぶりに日本最北の島、礼文島に渡るのだ。

去年の終わりは今年の始まり。
僕はガラリと「うぶかた」のお店のドアを開けた。

僕の中で止まっていた最北の物語が、また動き出す。



※まだ「礼文島旅行2008(3-41)」を読んでいない方は是非先にご覧ください!

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Chapter.1  Chapter.2  Chapter.3  Chapter.4  Chapter.5  エピローグ    

Chapter.1  

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「うぶかた」から遡ること数時間前…。



7.17
7:53 横浜出発

今回も飛行機を使います。島へ行くときだけは自走ではなくて飛行機なのです。
もう飛行機の旅も3年目なのでだいぶ慣れてきました。

関東は梅雨明けから数日経ったんだけど、2日ほど晴れ間が出ただけで、その後は
パッとしない天気です。
今日も見事に曇天。てゆーか車窓から外を見ていたら雨がパラパラ降ってきました
けど!?


9:00 羽田空港

ここから9:40発の稚内行き飛行機に乗ります。
受付カウンターに並ぶんだけど、すごい人だね。全然進みません。

そのうち、「9:40までの飛行機に乗る人はいませんかー!」と列全体に声がかかる
。まぁつまりは「このまま並んでたら飛行機に乗り遅れるから特別に優先して手続
きしてやるよ」という意味です。

威勢よく挙手し、最終的に「この手続きなら機械で発券も出来ますよ」と言われる。
えっと、知らなかった。今までの飛行機旅は全部有人カウンターで手続きしてた。
てゆーか、僕は機械オンチなので機械コワイコワイ。

「稚内便は一番奥の搭乗口です。急いでください!」と荷物を預けた際に言われる。
小走りで搭乗アナウンスの架かる中、飛行機に乗り込む。
そしたらなんかかんやで離陸が20分くらい遅延したんだけどね。

10:10 離陸

関東上空

関東北部からは空は晴れ渡っています。
今回は直前の予約にもかかわらず堰は往復窓際を取れたので、外の景色見放題&
写真撮り放題です。
やったー、寝ている場合じゃございません!

…でも、「稚内の天候は曇り」とかアナウンスがかかっているけどね。
飛行機ってすごい速い。1時間もすると青森県が見えてきました。

尻屋崎

本州最涯地そして本州最北東端である下北半島の「尻屋崎」です。
わかるよ、上空からでもわかる。あの道を頑張って走っていたかつての自分が重なっ
て見えるよ。

そして北海道の苫小牧港が見えてきた。
あの港から数々の冒険が始まり、そして終わったりしました。

苫小牧港

パッチーワークのよう

さて、そろそろ稚内です。
雲が出てきちゃったけど、運上に「利尻富士」の先端が見えていました。

11:50 稚内空港

気温はおよそ16℃。寒い寒い。
去年の二の舞にならないよう、すぐに上着を取り出して羽織ります。
空港の外では港行きのバスが待機しているので、ダッシュで乗り込む。


12:13 バス発車

バスの中は大きなリュックを抱えている人で満載です。
きっとみんな礼文か利尻を歩くんだろうな。


12:43 稚内駅
(バス代 \590)

ここが日本最北の駅です。例によって駅の周りをグルグルと歩き回り、お馴染みの写
真を撮ったりしました。

日本最北端の線路

最北端の駅&YAMA

稚内港まではここから徒歩5分ほど。
しかし港から礼文島行きのフェリーが出るのは15:10なのでまだたっぷり時間があり
ます。
その前に駅周辺でお昼でも食べようかと思います。

ちょっと悩みつつ周囲を歩き回った末、去年も立ち寄った「うぶかた」という食事処に
行くことにしました。
記憶を辿りながら歩いて行きます。


<「うぶかた」>
13:00 「うぶかた」

ここでウニラーメンを注文。うん、いきなりウニを食べちゃうんだ、今回は。

お店の外観

ウニラーメン

同じタイミングで店に入ってきたおじさんから「キミ、羽田からの飛行機に乗っていた
ろ?」と声をかけられ、少し話で盛り上がる。
店員さんとおじさんにはこれから礼文島に渡ることを宣言しておいた。
(食費 \1300)


食後、ゆっくりと歩いて稚内港に向かう。

13:40 稚内フェリータミナル

まだ乗船できるまで1時間もある。
まずは礼文島の香深港までの往復チケットを購入しておきます。
(フェリー代 \5000)

ターミナル内のパンフを見ながらブラブラ。
対岸の「北防波堤ドーム」を遠望しながらブラブラ。

北防波堤ドーム

あれは稚内港を強風から守るために作られた、ドーム型の防波堤。
ローマ建築みたいなオシャレな作りになってて、車のCMにも登場したことのあるとこ
ろです。
もっとも、去年に稚内港は数100m移転しちゃったので今はもう風除けの意味も無い
んだろうな。

待合室にて

特にやることも無いのでターミナルのベンチでうたた寝。
広くて綺麗で、ホント綺麗過ぎるターミナルです。
しばらくするといくつものツアーの団体さんがやってきて周りは一気に騒がしくなる。

14:10 乗船

礼文行きのフェリー

船内に入ったら素早く自分のスペースを確保。
二等客室なのでイスは無く、大広間に雑魚寝するタイプなので、うまく確保しておかな
いと自分の居場所がなくなります。
幸いにして去年ほど混んでいたなったので、充分に横になれるスペースがありました。

では、出航シーンを見るためにデッキに出ます!

15:10 出航

二等客室の広間

出航!

今日も明日も曇りで降水確率は50%ほどの予報だったのだが、出航してしばらくする
と少しずつ空が明るくなってきた。
まだ隣の「利尻富士」は裾野しか見えないけど、ひょっとしたらその雄姿を見ることが
出来るかもしれないね。

ノシャップ岬の灯台

広がる青空

20分ほどデッキに佇み、寒くなってきたので船内に戻る。
そして仮眠します。


1時間ほどしたころ、「利尻富士が見えたぞ!」の声で目を覚ます。
窓の外を見ると「利尻富士」、見えました。1年ぶりに見た島の全景。
早速デッキに出て写真を撮る。

ついに見えた隣島

雄大ですねぇ。島全体が山って感じです。
北海道の有名なお土産に「白い恋人」っていうお菓子があるんだけど、そのパッケー
ジに描かれている山があの「利尻富士」って知っています?
恥ずかしながら僕は今日初めて知りました。いままで「白い恋人」の山がどこの山か
だなんて考えもせずに貪り食ってた。

カモメ&利尻富士

ここまで来れば僕の目指す礼文島ももう目前に迫っているはず。
デッキの反対側へと走り、西を見る。
逆光に照らされ水平線に横たわる平べったい島、あれが有人日本最北端の島、礼文
島です。

西日の中の礼文

良かった。晴れています。
もしかしたら明日も晴れてくれるかもしれない。
しかし明後日の降水確率は80〜90%。ぶっちゃけ絶望的数値です。
島では何をしようか。"8時間コース"を歩こうか。歩くとすればいつ歩こうか。

そんなことを考えているうちに、礼文島の香深港が見えてきました。
1年前にみんなでありったけの声で「いってきまーーす!!」「また来るよーー!!」
と叫んで出航した港です。

まだ港から1km以上離れていて、人がいるのかいないのかも判断できない距離なん
だけど、港の片隅でチラチラ左右に動いているものが見えるんだ。
「桃岩荘」のヘルパーが振り回している旗ですね、アレは。

港が近づき、旗を振っている「桃岩荘」のヘルパーと傍らの幌付きトラック「ブルーサ
ンダー号エース」が目視できる大きさになる。

それと共に聞こえてくる毎度の奇声。
「ようこそーーー!花の浮島、礼文島へーーー!!おっかえりなさーーい!!」
ヘルパーは水平線に船が見えた頃から旗を振り回し、叫んでいるのだ。

桃岩荘のヘルパー

ただいま、帰って来たよ。

そしてフェリーはゆっくりと港に着岸する。僕も船内に戻り、船を下りる準備をします。

17:05 礼文島 香深港

タラップを降りたところには、島のいろんな宿の人が宿の名前を書いた旗やボードを持
って出迎えていてくれています。
僕は「桃岩荘」のヘルパーに向かって歩く。
あぁ、言い忘れたけど今回も「桃岩荘」に宿泊します。
結構直前だったけど、昨日の夜にに宿泊の電話をしたんだ。


お出迎えしてくれたのは去年僕が来たときにヘルパーになったばかりだった"2着"。
なんか知らないけど、2着は坊主になっていた。

「ただいまー!」
「おかえりなさーーい!!」と挨拶を交わす。
桃岩荘に来る人は初めてでも常連でも挨拶は「ただいま」なのだ。

2着:「じゃあ向こうに送迎用の青いトラック停めてあるので、向こうの ヘルパーに名前
 を伝えてください!」

2着は数10m先のブルーサンダー号エースの前に待機しているヘルパーに声をかける。
「おーーーーーい!!もっもいっわそぉぉーーーー!!!」
(「桃岩荘」の宿泊者がそっちに向かいますよ、の意味)

トラックの前にいるヘルパーがそれに答える。
「おーーーーーい!もっもいっわそーーーー!!」

(了解しました、の意味)

港にいる中高年トレッキング客がビックリしている中、僕は幌付きトラック「ブルーサン
ダー号エース」に向かって歩き出した。

ブルーサンダー号エース

ブルサンの前で待機していたヘルパーは、去年もお世話になった"マネキンさん"。
なんか知らないけど、マネキンさんは坊主になっていた。

「ただいまー!」「おかえりなさーい!」の挨拶を終え、名前を名乗ると「"ふくちゃん"っ
て知ってます?」と聞かれる。

あぁ、知ってます。
屋久島旅行2007(3-20)」で出会い、「2008年 年越しイベント(3-28)」で合流し、今
では普通に飲み友達。
去年の飲み会で礼文経験者の僕や"ぶるるぶ"が礼文島を薦めたら本当に礼文に行き
、昨日まで滞在していたらしい。
どうやら紹介者として僕の名前を出してくれていたみたいです。


ブルサンの前に集まったのは8人ほど。
これからこのブルサンの荷台に乗り込み、「桃岩荘」まで送ってもらいます。
幌のついた荷台部分に向かい合う形でベンチ(?)が設置されており、それが客席に
なってます。

直に荷台に登るのは危ないとのことで「本日は特別に!」とか言われて"お立ち台(踏
み台)"と"本日の手すり"を登場させてくれました。
(実は毎回登場している)
てゆーか、お立ち台はビールケースをひっくり返したもので、手すりは女ヘルの"シソ
さん"の腕でした。


全員が乗り込み、2着&シソさんから車の説明がある。
「このブルーサンダー号エースには音声認識機能があり、全員で"発車オーライ!!
"と言わないと発車できません。皆さん、せーのでこぶしを突き上げて"発車オーライ
!!"と叫んでください。」

「せーの、発車オーラーイ!!!」(きっと一般人の想像よりずっと大きいシャウト)
しかしどうやらこぶしを突き上げる動作をしていない人がいたようで、ブルサンはエン
ストしてしまう。
改めて掛け声をし、「プップー!」というクラクションと共に発進!。


ここから「桃岩荘」までは15分ほど。
荷台に一緒に乗っている2着とシソさんが、みんなの予定を聞いたり礼文が何度目か
を聞いたりして盛り上げてくれる。

そしてブルサンは島唯一のトンネルである「桃岩タイムトンネル」に差し掛かる。
「桃岩ターイムトンネルーーーー!!!」
過去2回の男ヘルほどではないけど、シソさんの頑張ったシャウトがトンネル内に響き
ました。

「さぁ!もうここは礼文の西海岸です。ここではタイムトンネルをくぐったことにより、時
間に関するある重大な変化が起きています!それはなんでしょう!?」
と、初めての人に質問が投げかけられたりする。

※タイムトンネルをくぐると、標準時より30分進んでいる桃岩時間というのが
 全ての生活の基準となります。
 フェリーの時間等に遅れないための配慮らしい。
 宿での全ての会話は桃岩時間が基準ですし、宿の時計も桃岩時間です。
 同泊者同士の会話ではまちまちなので、「それは標準時?それとも桃時?」
 みたいなやりとりもしょっちゅう。
 かなりややこしい。
 このサイトでは全部標準時で表記します。


間もなく「桃岩荘」前の「見返り坂」。
ブルサンのメインスクリーン(後ろの幌)を開けると「桃岩」が聳えています。

メインスクリーンからの桃岩

「桃岩荘」が近付いたところでシソさんから指示が出ます。
「桃岩荘に行くときには知性・教養・羞恥心を捨てなければいけません。
これらは桃岩荘で過ごす上ではジャマなので、ここでポイッと捨ててください。」
…ということでみんなで「知性・教養・羞恥心、ポイッ!」と捨てました。
あ、振り付けが今までより大幅簡略されてた。


<桃岩荘ユースホステル>
17:37 桃岩荘ユースホステル

「必殺!ブルサンダー号エース玄関縦付けーー!!」
運転手のマネキンさんがブルサンの荷台を宿の玄関にピターッと縦付けする。

ドアから数cmのところに駐車し、外に一歩も出ることなく直に宿の中に雪崩込む。
「さぁ、皆さん大声で"ただいま"ですよー!」

2着がガラッと玄関を開けると、女性ヘルパーや連泊客、先にチェックインしている人
が玄関に揃っていて「おかえりなさーーーい!!」と楽器つきで迎えてくれる。
こっちも負けじと「ただいまーー!!」と挨拶。

そして宿泊者カードに名前を書き、受付。
そのあとヘルパーによる宿の設備の説明があるんだけど、僕は3回目なので先に荷
物を自分のベッドに運んだ。
(1泊2食 \5325)

桃岩荘の回転ベッド

桃岩荘は140年ほど前の鰊番屋を使用しています。
ホールの真ん中に囲炉裏があり、歴史を感じさせる柱や梁が印象的。

ユースなので基本は男女別の相部屋。
男性の部屋は独立していなく、中二階に囲炉裏の間を取り囲むように、グルリと設置
された2段ベッド、通称"回転ベッド"と言われるスペースになります。


去年、一昨年とお世話になっているヘルパーの"955"がいたので「今年もよろしく」っ
て挨拶しておく。
955、普通に僕の桃ネームを覚えてくれていた。
あと、なんか知らないけど955は坊主になっていた。

※桃ネーム:桃岩荘でのニックネーム。ヘルパーとかは全員桃ネームで呼ばれて
  いる。常連さんも大体持っている。本人が嫌がる名前をつけることを推奨される。

955に「ふくちゃんはどうだった?」って試しに聞いてみたら、「なんか扇子を持って踊
ったりしてスゴかった」とか言っていた。
え?何やってたの、ふくちゃん?


このあと18:50からは桃岩荘名物のミーティング。
それまでのわずか1時間の間に夕食とお風呂を済ませるのが得策です。
ブルサンで一緒だった"Tさん"・"ウエさん"を誘い、食堂に行く。
このあとお風呂に入る。
お風呂の中では仕事の合間に日本中を旅して周っているTさんとお話しする。
Tさんは昨日「利尻富士」に登って来たばかりなんだって。
「曇ってて何も見えなかったけど、登ったということに価値がある!」と熱弁してた。
「明日も8時間コースを歩くぞ!」だって。
うーん、僕はどうしようかなぁ…。


18:55 ミーティング

お風呂に入っていたら桃岩荘の中からミーティングの開始を知らせるヘルパー達の
歌声が聞こえてきた。
「ミーティング〜♪ (ドドンッドドン) ミーティング〜♪ (ドドンッドドン)」
ギターを弾き、太鼓を鳴らしながら宿の隅々まで宣伝しているようだ。
ヤバッ、いきなりミーティング遅刻です。


桃岩荘ではもう日本ではここにしか残っていないといわれる、歌と踊りの"ミーティン
グ"というイベントが毎日行われています。
昔のユース全盛期の頃は他のユースでもやっていたらしいけど、そのころも桃岩荘
がぶっちぎりでクレイジーだったそうです。

ミーティングが行われる囲炉裏の間に行くと、最初の前座のコーナーはもう終わって
島紹介コーナーの途中でした。

マネキンさんの島紹介

観光スポット、風土や文化の説明をいろんなクイズやギャグを織り交ぜつつ毎日聞い
ても飽きないように工夫して説明してくれています。

それから歌のコーナー。
桃岩荘のテーマソングである「島を愛す」の歌唱指導から始まります。
礼文島旅行2007(3-22)」とか礼文島旅行2008(3-41)」で書いてあるから少し省略
するけど、歌詞を初めて桃岩荘に泊まる人に読ませ、禁句を言ったら罰ゲームです。

「あぁーー!!その単語を口にしてしまうとはーー!!」と崩れ落ちるヘルパー。
禁句を言っちゃった人はみんなの前に出されてトド退治だとか人口4人の召国の集落に
嫁入りだとかを指示され、それに見合ったコスプレをさせられます。
そんな感じでワイワイしながらみんなで歌を歌う。

それから一昔前のフォークソングとか、毎年桃岩荘でヘルパーが中心になって作ってい
る「今年の歌」シリーズとか。
全部ぶっつけ本番なので最初は戸惑うけど、すぐに雰囲気に飲み込まれます。
旅ってそんなもんだろ?
見ず知らずの人と一緒にひとつのことをして、同じ思い出を共有することが楽しい。


そして踊りのコーナー。
全員で古いアニメソングとかのメドレーを踊ります。もちろんこれもぶっつけ本番。
前のヘルパーを見ながら必死についていきます。
僕、だいたい覚えてきたよ。

かなりの運動量で、踊った後のヘルパーたちはもう汗だくになってハァハァ言ってる。
最後は「遠い世界に」を歌う。
40年位前から桃岩荘では毎晩最後にこの歌を歌っているんだって。
みんなで手拍子し、こぶしを突き上げ、歌った。

盛り上げのメインとなる男ヘルパー、例年は5人くらいいるのに今年は3人しかいなくて
かなり大変そうだったけど、とても楽しかった。

21:00 ミーティング終了


あっという間の2時間です。
間髪いれず、明日に「8時間コース」を歩く人は2階の食堂に集合して説明を受ける。

僕、明日歩くか明後日歩くか迷っていたけど明日に8時間コースに参加したいと思いま
す。明後日は3連休で人は多いだろうけど、降水確率が高いからね。
晴れてないと8時間コースの魅力半減だろうし。

2着が8時間コースの説明と注意すべきポイントをみんなに説明してくれます。
明日に8時間コースを歩くのは7人。そして途中まで歩く4時間コースが2人。
どうやらコースの出発地点までシャトルバスで送ってくれるそうなので、送迎代とお弁
当代を合わせた金額を支払う。
普通の路線バスで行くよりかはだいぶお得です。
(バス&弁当代 \1200)

リーダーは先ほど知り合ったてっちゃんになりました。明日はよろしく!

途中、955による筋肉天気予報のコーナーがあった。
桃岩荘はTVとかないし、僕の携帯もずっと圏外だから天気含め外界の情報は全く手
に入らないのだ。
どうやら明日の降水確率は日中10〜20%らしい。これはいけるね!


8時間コースの説明会が終わるともう21:30。
ここで初めて自由時間です。
みんな囲炉裏の間で思い思いに集まって知り合った人と話したり、ヘルパーと話した
り。
僕もヘルパー達や明日の8時間コースの人たちと楽しくしゃべったり、真っ暗な外に出
て凍えたりしました。

夜の桃岩荘

桃岩荘はほとんど道路すらない礼文島の西海岸に位置し、後ろは崖、前は海。
周囲には全く民家がありません。たぶん隣の家までは徒歩20分くらい。
だからこそ、毎夜ここまでドカンドカン騒ぎ、ガンガン館内放送を流したりできるのだ。


あっという間に21:50。消灯10分前のオルゴールの音色が館内に流れます。
あと10分で完全に真っ暗な世界。
そして明日は5:00前には起きて真っ暗な中で8時間コースの準備をしなければならな
い。今のうちにいろいろ準備しておかないと。そして歯磨きとか。

22:00 消灯

なんとか最低限の準備は出来た。
よし、あとはなるべく睡眠をとってスタミナを蓄えておこう。

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