礼文島旅行2008

2008.7.18-21
走行距離:-km
実行人数:1名

1年振りに来た、日本最北の島「礼文島」!
またまた愛とロマンの8時間コースを歩きました!

澄海岬の美しい海

※今回のエピソードには愛車の「bobBy(ボビー)」は登場しません。


約1年前の2007年7月14日、「礼文島旅行2007(3-22)」。
僕はそのとき宿泊した「桃岩荘」の自炊浜のエピソードでこう書いている。

> 僕は…一応「来年また来ます」と答えておいた。
> 1年後のことなんて全くわからないけど、来れそうだったらホントに来るかもね。


…そして、あれから1年経った2008年7月18日。

「ただいまー!」
僕は礼文島の香深港に降り立った。
「おかえりなさーい!!」
京都大会以来に会う"955"が「桃岩荘」のヘルパーになってて、港で迎えてくれた。

あぁ、また来てしまったよ、礼文島。
今回はどんな旅になるのかな?

「おーーーい!もっもいっわそぉーーーー!!」
港にヘルパーのダミ声が響き渡る。

ワクワクと一抹の不安。そんな気持ちを胸に抱き、僕は幌付きトラック「ブルーサンダ
ー号エース」に向かって歩き出した。


※まだ「礼文島旅行2007(3-22)」を読んでいない方は是非先にご覧ください!

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Chapter.1    Chapter.2    Chapter.3    Chapter.4    Chapter.5    エピローグ
「桃岩荘」    「うめーべや」   「愛とロマン」  「愛とロマン」    「島抜け」  
                       (前編)      (後編)

Chapter.1 「桃岩荘」 

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7.18
7:50 横浜出発

今回も飛行機使います。島へ行くときだけは自走ではなくて飛行機です。
もう飛行機の旅も2年目なのでだいぶ慣れてきました。

9:00 羽田空港

羽田空港、離陸前

9:40 離陸

ここから北海道最北の稚内空港まで一気にワープします。
飛行機ってすごいなぁ。車で自走すると稚内ってすごく遠いのに、およそ2時間で
東京から着いてしまうんだよね?

機内でアナウンスがかかる。
「稚内の天候は曇り。気温は14℃…。」
バカな!寒すぎる!神奈川ではもう気温30℃超えは当たり前だというのに。
大丈夫かなー。あんまり暖かい服は持ってこなかったぞ…。


11:35 稚内空港

一歩飛行機を出ると、ヒンヤリとした空気が身を包む。
まだ飛行場のターミナル内なのに。外はきっともっとずっと寒いんだろうなぁ。

一気に稚内!

実は、ドライブ仲間の"ぶるるぶ"が1週間ほど前から1人で北海道を走り回って
いる。僕の稚内到着日時をあらかじめ伝えておき、「合流できたらしよう」と言って
おいたけど、果たしてそれは実現できるのだろうか…。

…と思ったら、"ぶるるぶ"がいた。
空港で荷物を受け取ってゲートをくぐったところにもういた。
今日は北見から既に300kmほど走ってきたんだって。ウゲー、元気良すぎ。

ぶるるぶ

YAMA

外に出るとすっごい強風。たぶん体感気温は10℃を切っています。
やっべ。僕、タンクトップに半袖シャツを羽織っているだけです。結構寒い。

ぶるるぶ曰く、今日は今まで最高に天気が悪く、さらに寒いらしい。
釧路とかは半袖で大丈夫なくらい暑かったんだって。
さすが日本最北の町、レベルが違います。


とりあえず、ぶるるぶの車に乗せてもらい、稚内市街に向かいました。
2人とも空腹なので、どこかでお昼ご飯にします。

車の中でぶるるぶの今までの旅の話とか聞いた。
周ってきた観光地の話とか、オススメの宿とか、「北海道旅2006(3-8)」のときの
「かみふらの道楽館」の"sottoooさん"が僕のことを覚えていた話とか。

僕は話に夢中でテンションも高くて、テキトーにナビしていたのでハデに道を間違
えたりしました。


<「樺太食堂」>
「ノシャップ岬」の近くにあるウニ丼で有名な食堂です。
前々から気になっていたけど、初めて来たわ。ここでお昼にします。

12:25 「樺太食堂」

「樺太食堂」

店内には一面に旅人とか訪れた人の書いたメッセージが貼ってありました。

ウニの有名な店だけど、ウニはさらに本場の礼文島で食べたいので、ここで選んだ
のは"かに・いくら丼"。
小さいサイズって書いてあったけど、かなりのボリュームにビックリです。

山盛り!

これに味噌汁や漬物がついて値段はおよそ1000円。
さうが北海道は安いぜ!イクラはプチプチでおいしかった。


<ノシャップ岬>
ここは「北海道旅2005(2-45)」以来なのでおよそ3年ぶりです。

13:04 ノシャップ岬

今回も天気が悪いよ、ちくしょう。
晴れていれば「利尻富士」が海の向こうに見える絶景のスポットで、夕日が綺麗で
有名なスポットです。
「利尻富士」は雲に隠れていたけど、裾野だけかろうじて見えました。

ノシャップ岬の碑

ノシャップ岬灯台

ここのシンボルのイルカの像の前で、2人で記念撮影。
強風でセルフタイマーのカメラが何度も倒れ、テイク3くらいでようやくまともな写真
が撮れました。
何度もダッシュしてちょっと体が温まったよ。

ぶるるぶ&YAMA

<稚内公園>
13:25 稚内公園

稚内の市街地を見下ろす高台に広がる公園です。
南極観測樺太犬の像をまず見ました。

「南極物語」のジロの像だよね?
でも、像の説明書きにはこの犬の名前が書かれていない。
あれ?確かジロだと思ったんだけど、違ったっけ?
北海道旅2006(3-8)」の記録ではジロって書いたんだけど。
タロかジロかでぶるるぶと大喧嘩しました。

※帰宅後に調べたら、やっぱジロだったみたいです。

南極観測樺太犬、ジロ

続けて土産物屋を覗いたりする。
ここにはタロやジロのグッズや、稚内の到達証明書を購入することが出来ます。
それから稚内のシンボル、「氷雪の門」を見る。

氷雪の門

ここからは晴れていればサハリンを見ることが出来る。
この「氷雪の門」は、かつて日本の領土だった日本人の慰霊碑なのだ。

下を見下ろすと、稚内の市街地が広がっています。
「北防波堤ドーム」も一望できます。
あぁ、僕はこの後にあの辺りから船で「礼文島」に旅立つんだなぁ。

稚内の町並み

北防波堤ドーム(一番左)

丘を下り、稚内港方面へと向かう。
そろそろ15:20の礼文島へのフリーの出航にあたり、フェリーターミナル近くに行きた
いと思います。
その前にお馴染みの「北防波堤ドーム」を見学。


<北防波堤ドーム>
稚内港を強風から守るために作られた、ドーム型の防波堤。
ローマ建築みたいなオシャレな作りになってて、車のCMにも登場したことのある
ところです。

13:55 北防波堤ドーム 

北防波堤ドーム

さぁ、このドームの正面が稚内港です。
ぶるるぶに場所を説明し、車で送ってもらう。

…って、フェリーターミナルがありません。
確かに去年使用したターミナルがある場所が、広大な更地になってました。
何この新感覚ドッキリは。

ぶるるぶ:「ちょっとー!ホントにここだったの?場所忘れたんじゃないの?」
YAMA:「ぜってーここだって!だって去年メシ食ったターミナル正面の「おもて」って
 食堂がここにあるもん!」

またモメる。うん、ホントにターミナルがないんだもん。
辺りを見回すと、稚内駅近くに船が停泊している。
もしかしてあそこに移転したのかなぁ。再度車に乗り込み、移動してもらう。


14:10 稚内フェリータミナル

ここかな?

建物の前に「礼文島」と利尻島」の地図の書いてある看板がある。
あぁ、ここだ。移転したんだね。
以前の昭和の臭いプンプンなターミナルと違い、すっごく立派な建物になっている
よ。以前の方が辺境の地に行くってカンジで好きだったけど。

「なぁ、一緒に島に渡ろうよー。」
ぶるるぶを誘ってみるのだけど、せっかくレンタカーを借りているからもっと走りたい
だとか、他に行きたいところがあるだとかで渋られる。

まぁそうだよね。北海道は広いしね。
「明後日までの便に乗ればきっと島で僕に会えるから。」
とりあえずそう言っておく。

じゃ、良い旅を。車に乗せてくれてありがとう。

バイバイ、ぶるるぶ

…でもきっと、僕と擦れ違いになるかもしれないけど、アイツは礼文に来るさ。


そして礼文島へのチケット購入。
前回は東日本海フェリーって名前だった船舶会社は、ハートランドフェリーに名前を
変えていた。
後日知るんだけど、それに合わせてターミナルも変更し、5月からはここを使うことに
なったんだって。そして以前のターミナルは先月に解体したそうだ。

しばらく待合室でフェリー乗船時間まで待機します。
新築の臭いがするよ、このターミナルビル。
なんか乗船口が自動改札になっているし。一気に近代化したんだね。

待合室にて

しばらく待ち、礼文行きのフェリーの準備が整ったみたいなので乗船口の前に並ぶ。
なんか周りは中高年の人ばっかです。
しかもみんな本格的なトレッキング装備をしてきています。
ツアーの団体客とみられる人が多い。

うーむ、若い人はいないかな?今回僕が宿泊する「桃岩荘」に行き、友達になれそう
な人はいないのかなぁ…。
ちょっと不安。前回はフェリーですぐに"25さん"って旅人と知り合えただけにさ。

列ですぐ目の前に並んでいる彼なんて「桃岩荘」に行ったりしないだろうかね?
フェリー内で場所が近かったら声をかけてみよう。

礼文行きのフェリー

フェリーのデザインも去年と変わりました。やたらハデハデになってます。
乗り込むと、すでに船室はかなりの満員。
二等客室なのでイスは無く、大広間に雑魚寝するタイプなんだけど、もうかなり中
高年団体客の人に占領されつつあります。

隙間を縫ってスペース確保。
うーん、ちょっと居心地悪い。周りの皆さんはガヤガヤ話しながらお菓子を食べた
り酒を飲み始めているから。

15:20 出航


船室は居心地が悪いため、デッキに出てました。相当寒いです。
ほどなくしてさっきの「ノシャップ岬」の灯台が遠くに見えてきました。

遠ざかる稚内

ノシャップ岬灯台

耐え切れず船内に戻り、昼寝します。
稚内から礼文まではおよそ2時間。しばらくはゆっくりしたいと思います。


1時間ほどで目が覚めました。てゆーか周りは騒がしいのでほとんど寝れなかった
んだけど。礼文島が見えているらしいのでデッキに出てみます。
まだ天気は相当悪いけど、心なしか礼文方面のほうが明るいみたいだ。
しかし雲の位置が低い。
ここから綺麗に見えるはずの「利尻島の「利尻富士」とか、全然見えない。
明日の天気はどうなんだろうか。心配だなぁ…。

そうこうしているうちに礼文島はもう目の前に迫ってきました。

礼文島接近

高山植物が海抜0mから咲き乱れる"花の浮島"、礼文島。
1年ぶりに帰ってきました。
島が近付き、1年前のあの日に盛大なお見送りと共に出航した懐かしい香深港が
見えてきた。
そして幌付きトラックのそばで旗をブンブン振り回しながら「おかえりなさーーい!」
と叫んでいる「桃岩荘」のヘルパー達も見えてくる。

17:20 礼文島 香深港

香深フェリーターミナル

フェリーのタラップを降りたところには礼文島の各宿のスタッフがそれぞれの宿の
名前を書いた横断幕や旗を持って待機している。
「桃岩荘」を探し、ヘルパーの元へと向かう。

ん?このヘルパー、去年はいなかったけど、どこかで見覚えがある?
そっか、去年一緒に「ピヨピヨツアー」を歩いたり自炊をした"955"か。
そういや「西日本一周旅(3-27)」の桃岩荘京都大会でも会ったっけ。

「ただいまー!」
「おかえりなさーい!!今年はヘルパーになっちゃいましたーー!」

ここでは島に来る人、桃岩荘に来る人は初めてでも常連でも挨拶は「ただいま」な
のだ。
「足はもう良くなった?今年は8時間コース歩くの?」と955に聞かれる。
いや、ピヨピヨツアーのときは8時間コースの翌日だったからヒザの持病が悪化して
ガタガタだっただけだって。
京都大会のときにも言ったけど、もう大丈夫だよ。
8時間コースは今年も歩こうと思うよ。

955:「じゃあ向こうに送迎車のブルーサンダー号エースを停めてあるので、向こうの
 ヘルパーに"ただいまー!"と言って名前を伝えてください。」

955は数10m先のブルーサンダー号エースの前に待機しているヘルパーに声をかけ
る。

「おーーーーーい!!もっもいっわそぉぉーーーー!!!」
トラックの前にいるヘルパーがそれに答える。
「おーーーーーい!もっもいっわそーーーー!!」

港にいる中高年トレッキング客がビックリしている中、僕は幌付きトラック「ブルーサンダ
ー号エース」に向かって歩き出した。

ブルーサンダー号エース

ブルサンの前で待機していたヘルパーは、去年もお世話になった"マイカルさん"。
「あれ?去年も確か今くらいの時期に来てませんでした?」って、覚えていてくれた
みたいです。
そのあと、頑張って僕の桃ネームも思い出してくれました。

※桃ネーム:桃岩荘でのニックネーム。ヘルパーとかは全員桃ネームで呼ばれて
  いる。常連さんも大体持っている。本人が嫌がる名前をつけることを推奨される。

ヘルパーのマイカルさん

ブルサンの前に集まったのは、同世代と思われる人がおよそ7人ほど。
稚内港のフェリー待ちの列で見かけた旅人もいた。
"ニュートン"っていう桃ネームで、礼文は3年ぶりの2回目なんだって。
これからよろしくって挨拶。

これからこのブルサンの荷台に乗り込み、「桃岩荘」まで送ってもらいます。
幌のついた荷台部分に向かい合う形でベンチ(?)が設置されており、それが客席
になってます。

直に荷台に登るのは危ないとのことで「本日は特別に!」とか言われて"お立ち台
(踏み台)"と"本日の手すり"を登場させてくれました。
(実は毎回登場している)
てゆーか、お立ち台はビールケースをひっくり返したもので、手すりはヘルパーの
955の腕ですけどね。


全員が乗り込み、955から車の説明がある。
「このブルーサンダー号エースには音声認識機能があり、全員で"発車オーライ!!
"と言わないと発車できません。皆さん、せーので"発車オーライ!!"と叫んでくださ
い。」

「せーの、発車オーラーイ!!!」(きっと一般人の想像よりずっと大きいシャウト)
港に着いている他の観光客がビクッとしてこっちを見てた。
しかしどうやら声が小さかったようで、ブルサンはバックし始めてしまう。
あわや海に転落、というところでもう一度「せーの、発車オーラーイ!!!!」と叫び、
事なきを得ました。
ブルサンは「プップー!」というクラクションと共に発進。


ここから「桃岩荘」までは15分ほど。
荷台に一緒に乗っている955が島案内クイズや8時間コースの説明などでみんなを盛
り上げてくれます。

そしてブルサンは島唯一のトンネルである「桃岩タイムトンネル」に差し掛かる。
「桃岩ッ、ターイムトンネルーーーー!!!」
955のシャウトがトンネル内にこだましまくりました。

「さぁ!もうここは礼文の西海岸です。ここではタイムトンネルをくぐったことにより、時
間に関するある重大な変化が起きています!それはなんでしょう!?」
と、初めての人に質問が投げかけられたりする。

※タイムトンネルをくぐると、標準時より30分進んでいる桃岩時間というのが
 全ての生活の基準となります。
 フェリーの時間等に遅れないための配慮らしい。
 宿での全ての会話は桃岩時間が基準ですし、宿の時計も桃岩時間です。
 同泊者同士の会話ではまちまちなので、「それは標準時?それとも桃時?」
 みたいなやりとりもしょっちゅう。
 かなりややこしい。
 このサイトでは全部標準時で表記します。


「桃岩荘」が近付いたところで955から指示が出ます。
「桃岩荘に行くときには知性・教養・羞恥心を捨てなければいけません。
これらは桃岩荘で過ごす上ではジャマなので、ここでポイッと捨ててください。」
…ということでみんなで振りつきで「知性・教養・羞恥心、ポイッ!」と捨てました。


<桃岩荘ユースホステル>
17:42 桃岩荘ユースホステル

「必殺!ブルサンダー号エース玄関縦付けーー!!」
運転手のマイカルさんがブルサンの荷台を宿の玄関にピターッと縦付けする。

玄関縦付け&955

ドアから数cmのところに駐車し、外に一歩も出ることなく直に宿の中に雪崩みます。
「さぁ、皆さんはもうなんて挨拶するのかわかってますねー!大声でただいまです
よー!」

955がガラッと玄関を開けると、女性ヘルパーや連泊客、先にチェックインしている人
が玄関に揃っていて「おかえりなさーーーい!!」と楽器つきで迎えてくれる。
こっちも負けじと「ただいまーー!!」と挨拶。

そして宿泊者カードに名前を書き、受付。
そのあとヘルパーによる宿の設備の説明があるんだけど、僕は2回目なので先に荷
物を自分のベッドに運んだ。

ベッドスペース

桃岩荘はユースホステルなので、基本は男女別の相部屋。
男は"囲炉裏の間"っていうメインの広間の中二階をグルリと取り囲むスペースに2段
ベッドが設置されていて、そこに寝ます。通称"回転ベッド"です。
簡単な区切りがされているので、微妙にプライベートがあるのかな?

荷物を片付けていると、外からヘルパーの歌声が聞こえてきた。
礼文島を徒歩で縦断する"愛とロマンの8時間コース"から宿泊客が戻ってきたときの
お出迎えの儀式です。
僕も外に出て出迎えてみます。

8時間コースお出迎え

ゴールしたら踊る

今日の8時間コースの参加者は7人。
そういやさっきブルサンでここまで走る間に彼らの脇を通りました。
ヤツら、すげーハイテンションでブルサンに向かって叫んでました。

ここは歌と踊りの桃岩荘なので、ゴールしたらヘルパーと参加者全員で踊って締め
ます。
いつもはヘルパーは屋根の上に登って出迎えるんだけど、今日は風が強いので登
らなかったそうだ。



桃岩荘名物の歌と踊りのミーティング開始まではあと1時間を切っている。
それまでに夕食とお風呂を済まさなければなりません。
まずは急いでお風呂に入る。

桃岩荘のお風呂は混浴と女湯。
まぁ混浴って言っても女性が入ってくることは100%ありません。
0.1ミリの期待を持たせる桃ジョークです。

お風呂では一緒にブルサンでここまで来たニュートンと、大坂から来た"ふじふじ"
と話す。
「8時間コースを歩きたいけど、アレは晴れてないと精神的に苦痛だよな。」
「明日は8時間は歩かずに、明後日晴れることを期待しようか。明後日は3連休で人
も多くて盛り上がりそうだし。」
「じゃあ明日は"フラワーロード"でも一緒に歩こうか?」
そんな話をする。


風呂から上がり、すぐに夕食。基本的にセルフサービスです。

礼文三奇岩の1つ、「猫岩」

桃岩荘の夕食

ぶっちゃけ、ものすごく質素です。北海道名物とかも特にありません。
食に期待をしたいなら「星観荘」とかのほうが懸命です。

すばやく胃に詰め込み、食器を洗う。
ここでは他のユースではもう存在しなくなった、自分達で食器を洗うというルールが
残っています。
まぁでも洗い・すすぎ・拭きとかを仲間と分担してこなすのは結構楽しいよ。

ミーティングまでの数分の余裕が出来たので、ふじふじと桃岩荘の玄関前に出てみた。
うーん、微妙な天気だなー…。

桃岩荘からの眺め

18:50 ミーティング

景色を見ていたら桃岩荘の中からミーティングの開始を知らせるヘルパー達の歌声
が聞こえてきた。
「ミーティング〜♪ (ドドンッドドン) ミーティング〜♪ (ドドンッドドン)」
ギターを弾き、太鼓を鳴らしながら宿の隅々まで宣伝しているようだ。

桃岩荘ではもう日本ではここにしか残っていないといわれる、歌と踊りの"ミーティング
"というイベントが毎日行われています。
昔のユース全盛期の頃は他のユースでもやっていたらしいけど、そのころも桃岩荘が
ぶっちぎりでクレイジーだったそうです。


ミーティングは基本的に5・6人の男ヘルパーを中心に行われる。
まずは前座(自称、140種類以上あるとのこと)でまだ空気になじめていない客を和ます
ことから始まります。
ヘンテコなギャグとかも多いので、笑いの沸点を低くしておくのがコツです。

そして島の紹介コーナー。
笑えるギャグから寒いギャグまでを織り交ぜ、ヘルパーが島の紹介をしてくれる。
しかし島の暮らしや文化を知る意味では非常にためになる情報が多く、特に「8時間コー
ス」を歩く上では覚えておきたい知識がたくさんあります。


それから歌のコーナー。
桃岩荘のテーマソングである「島を愛す」の歌唱指導から始まります。
ここで歌われる歌の多くは囲炉裏の間の壁一面にグルリと貼り付けてあるんだけど、
この「島を愛す」には桃岩荘で禁句となっているキーワードが盛り込まれています。

ヘルパーはワザと初めての人に「この漢字、難しくて僕は読めないんですけど、なんて
読むか教えてくれますか?」とか聞いてきます。
しかしそれを口にしてしまうと大変。

「あぁーー!!その単語を口にしてしまうとはーー!!」と崩れ落ちるヘルパー。
「その言葉を口にしてしまった人には厳しい罰があります!」となり、前に連れ出されて
変なコスプレをさせられたり、「スコップを渡すので礼文岳を利尻富士より高くしてくださ
い」だとか、「スコトン岬を宗谷岬より北になるように陸を作ってください」だとか言われま
す。

そんな感じで変な熱気に包まれつつ、みんなで歌を歌う。

歌うヘルパー

歌には一昔前のフォークソングのほか、毎年桃岩荘でヘルパーが中心になって作っ
ている「今年の歌」シリーズがあります。全部ぶっつけ本番。
僕は去年の"プチ歌いまくり"とか大会とかでそこそこ覚えたけど、まだまだ全然知ら
ないものだらけだわ。

ヘルパーの一人が先行で歌詞を読み上げてくれるんだけど、ダミ声の上に血管ブチ
切れんばかりのシャウトなので半分くらいしか聞き取れません。
でも手拍子をし、みんなと一緒に口ずさんでいると楽しいね。
日常では絶対にありえない光景。こんな辺境だからこそ生まれるたびの醍醐味だと思
うよ。


そして踊りのコーナー。
全員で古いアニメソングとかのメドレーを踊ります。もちろんこれもぶっつけ本番。
前のヘルパーを見ながら必死についていきます。
まぁ常連さんたちは普通に踊れるんですけど。
もう羞恥心とか言ってたら楽しめませんので、ドカンドカン踊るのみです。
踊りはダイナミックですげー難しいんだけど、去年から半分くらいは覚えていたかな?

かなりの運動量で、踊った後のヘルパーたちはもう汗だくになってハァハァ言ってる。
最後は「遠い世界に」を歌う。
30年位前から桃岩荘では毎晩最後にこの歌を歌っているんだって。
みんなで手拍子し、こぶしを突き上げ、歌った。

21:00 ミーティング終了


あっという間の2時間です。
間髪いれず、明日に「8時間コース」を歩く人は2回の食堂に集合して説明を受ける。
でも僕らは明後日に先延ばしする予定なので、参加せず。
結果、明日の8時間コースは3人しかいなくなっちゃったみたいだ。

ここから消灯までの1時間は自由時間です。
みんな囲炉裏の間でヘルパーを交えて談笑したりしながら交友の輪を広めます。

ミーティング終了後の囲炉裏の間

僕はニュートン・ふじふじ、そしてブルサンで一緒だった"マリンバ"の3人と共に、
明日のプランについてどうしようかと話し合っていました。

そこへ男ヘルの"マネキンさん"、女ヘルで「もう走れない、なんて言わない」の
管理人でもある"あちこさん"が「明日は香深港でお祭りがあるよ」と情報提供し
てくれる。
新鮮なウニを食べれたり、タコの掴み取りとかのイベントがあるそうだ。
去年のアルバムを取り出して、イベントの写真を見せてくれた。

うおーー、なんか楽しそうだ。
4人でその祭りに参加しようってことですぐに結論が出ました。楽しみだなぁ。


そのまま去年のアルバムを見ながらヘルパーを交えて談笑。
桃岩荘、夏の間の4ヶ月間した営業していないのに、その間にいろんなイベントがあ
ったんだなぁ。
たぶん夏が短いから、その分思いでも凝縮されるんだろうね。
そういや去年のピヨピヨツアーのときの写真もあった。
僕のアホ顔もしっかり桃岩荘の歴史の1ページになってマヌケに残ってました。

さらに30年ほど前のボロボロのアルバムも見せてくれた。
ユース全盛期は桃岩荘に100人以上が泊まり、8時間コースも100人くらいいたことも
あったんだって。
8時間コースのスタート地点である日本最北限「スコトン岬」での恒例の集合写真、
そのアルバムではホントに100人近くいて、岬の広場が桃人間でギュウギュウでした。
たぶん僕の母親が8時間を歩いたのとか、この頃だな。

すげーな。僕らも8時間を明後日に回すから、きっとたくさんのメンバーと一緒に歩け
るよね。楽しみになってきたぞー。



消灯10分前になるとオルゴールがかかりだす。
桃岩荘は消灯の22:00になると、一気に電気が消えて真っ暗になるのだ。
慌てて解散し、歯磨きとかして寝る準備をする。


22:00 消灯

Chapter.1    Chapter.2    Chapter.3    Chapter.4    Chapter.5    エピローグ
「桃岩荘」    「うめーべや」   「愛とロマン」  「愛とロマン」    「島抜け」  
                       (前編)      (後編)

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