富士登山2006

2006.7.30
走行距離:約300km
実行人数:3名

待ちに待ったこの夏一番の快晴!
この日、僕らは日本最高所に立つ!

雲より高く。
感動の天空世界








僕がフラッと思いつきで富士山に単独登山をしたのが2003年だったから3年前。

あのときの絶景と感動をもう一度味わいたい。
そう思っていたのだが、富士山の登山シーズンは短い。
8月のその前後のわずかな期間のみが登山シーズンであり、お盆は車両規制が入る。

さらに8月後半は天気が崩れたり、雷が多くなる。
そうなると、ベストは梅雨明けの瞬間の最高に晴れた日。
この針に糸を通すかのようなチャンスを、2004年・2005年と逃してきた。

そして2006年。
長い長い梅雨の末期。コロコロ変わる天気予報。
それでなくても山の天気はとってもデリケートなんだから、決行の可不可ですら
見通しがつかない。

気象庁が発表する1日3回の予報も全てチェック。
でも見るたびに代わる降水確率。
出発予定日もいきなり40%で雨マークが登場するもんだから「これは無理かな…」
とあきらめかけていたんだけど、出発数時間前の予報で10%に更新された。

「行くべし!!」


かくして僕は、誘っておいたメンバーの江成・バンザイと3人で富士山を目指します。
今回は僕の車、「サー君」よりも燃費と小回りの効く江成の車"キューブ"を使います。

日付の変わった0:00過ぎ、江成とバンザイが家まで迎えに来てくれ、出発です。
僕は仕事帰りなので既に体力はあまりないので、後部シートで休めてちょうどいいや。

東名高速の横浜町田ICから御殿場ICまでは深夜なので快適。
御殿場のコンビニで水と食料を購入し、富士宮口を目指します。
グングン樹海の中を標高を上げ、途中でシカが飛び出してきたりもし、
テンションも合わせて上がってきます。


<3:10 富士山 新五合駐車場>
周りはすっごい車。
実はまだ駐車場まで1km以上も距離があるんだけど、駐車場は既に満車の上、
ここから上も全部路駐で埋まっているとのことなんです。
警備員の誘導に従い、路肩に駐車する。
3年前は同じくらいの時間に来て、全然空いていたのに何なんでしょ、これは。

仮眠して明るくなってから出発かと考えていたら、他の2人はテンションが高く、
もう登り始めたい様子。
うわー、僕、徹夜なんですけど。さっき高速走行中に30分ほどウトウトしただけ
なんですけど。

でもまぁいっか。行こう行こう。善は急げだ。

さぁ、歩き出そう

頭上はこれ以上ないほどの満天の星空。流れ星がいくつも飛び交う。
空気は澄んでいるけど、すっごく寒くて上着と手袋が必要です。
ただ、この空を見ていると今日は絶対快晴になると確認できる。
ずっーと続いてた梅雨もようやく終わりそうな予感がするよ。


<3:30 新五合 富士宮口 登山口(標高2400m)>
ようやく本来の駐車場部分まで到着しました。
ここはドライブで幾度と無く来ているところ。

記念撮影し、準備運動をしてから真っ暗な山道に突入します。

いつものところで

足元が暗くてね、結構つまずきそうになりながら歩く。
夜道を歩くことは想定していなかったから、照明を持ってきていないんですよ。

前方を歩くグループの人の明かりを道しるべにして進みます。
ドライブできたときも新五合から新六合までにいつも歩くので、問題は無い。
まだまだここはウォーミングアップにすらならないですけどね。


<3:57 新六合 雲海荘(標高2500m)>
当然ながら、こんなところで疲れている場合じゃないワケで。
写真だけ撮ったらさっさと先へ進みます。

雲海荘を過ぎると勾配が一気に急になり、登山ぽくなってきます。

足場はガレガレの崩れた溶岩なので、すさまじく歩きにくい。
でもようやくわずかい辺りが明るくなり、周りの様子がわかってきた。


<4:33 新七合 御来光山荘(標高2800m)>
歩いているとすっごく暑いんだけど、立ち止まると急に冷え込む。
気温は10度くらいなのかなぁ。

ここからが本番!

御来光山荘前で

そろそろ辺りが明るくなってくる。
山荘のオバチャンが、「あそこまで行けばもうすぐ御来光が見えるよ。」
と教えてくれたので、数百mほど道をそれて、ご来光の見える岩場を
目指すことにしました。

ベストポジションを!

他の登山者もかなり集まってきた。

それぞれ思い思いの場所をキープし、御来光を待つ。
こういうとき、なぜか僕って必ず一番高い場所にいるんだよね。
チビは高いところに憧れる。

日の出直前の空

幻想的な雲海が眼下に広がっている。
僕は昔から快晴よりも雲海が好きでね。関東平野が一望できるよりも、
こういう雲海を見れたほうが幸せな気分になれるんです。

だから今日は僕の大好きなコンディションですなぁ。

カメラを構える

そして、時刻は4:55。
ついに真っ赤なアイツが雲海から登場し、周りから「ウオォォー!」と
歓声が上がる。

最高の
ライジング・サン

もう、言葉が出ないわ。
汚いものが全て浄化されそうな感覚。

しばし放心状態で眺め、そしてシャッターを切り…、を繰り返していたよ。


太陽が昇ったら、またさっきの「新七合 御来光山荘」まで戻り、そこから
正規のルートを歩き出す。
空はすっかり明るく、青空が頭上にどこまでも広がっているよ。


<5:38 元祖七合 山口山荘(標高3010m)>
そう、多くの人が「えっ?八合じゃないの?」って思うポイントですね。
新七合かた元祖七合まではかなりしんどい道のりなのに、カウントがUP
していないのでちょっとショックなんですよね。

元祖七合にて

この時間になると一泊組が行動を開始し始めた様子で、山荘の前は
かなり混雑している。
ちょうど荷造りをしているお姉さんに頼んで、写真を撮ってもらった。
ここで初めて10分近い長期休憩を取り、そしてまた出発。


ここまで来ると空気が薄い。
脳に酸素が行かないから思考能力が落ちてきているのが自分でもよく
わかるんですよね。
メンバーのバンザイはちょっとバカになってきていて、ときどきワケの
わからんことを言っている。
しかもだんだん遅れも出てきた。

一方僕もだんだん江成に着いて行けなくなってきた。
運動不足と筋肉の生み出すパワーの限界を感じる。

近いようで遠い山頂

そう、ここまで来ると「あと山頂までどのくらい?」と考えたくなる。
「もうちょっとで山頂だよね?」と思いたくなるんだけど、実際はまだまだ
前半戦と考えてきたほうがいいんだよね。

あの九合以降の地獄の登りを創造すると、こんなところで弱ってるワケには
いかないですよ。


明らかにバンザイが遅れだし、視界に見えなくなってきた。
僕も江成にはとても着いていけない。
肺活量には自身があって、1分立ち止まれば呼吸は正常に戻って楽になるんだけど
筋肉に限ってはどうにも恵まれていない。

疲労ではなく、単純に体が一定以上のペースで動かないんだよな。


<6:08 八合 池田館(標高3250m)>
この界隈が富士宮口の登山ルートの中で一番好きなんだ。
バンザイを待ち、そして写真を撮ってから先に着いていた江成を探す。

まだまだ元気!
YAMA&バンザイ

ペースの速い江成

この山荘からわずかに登ると、僕の好きな八合目の鳥居があるんですよ。
コイツが空の中に立っているで、なんだかすごくカッコ良く見えるんです。

今回も鳥居の元まで走り寄って興奮してたりしました。

雲の上の鳥居

山は傾斜を増し、ところどころは両手も使って岩場を這い上がらなければいけない
ようなスポットもある。
登る人、下る人共に増えてきて、片側通行で進んだりもする。
僕の場合はこの待ち時間の数十秒で呼吸を落ち着けられるので、かえって助かるわ。

でも前方の江成はもう随分上に行ってしまってて、遥か上のほうにほんとか確認できる
ような状態になっている。

ふぅ…、空気が薄い。
息ができない。

周りにも高山病で崩れ落ちている人が何人もいる。
高山病にならないようにするには、ゆっくりゆっくり気圧に体を慣らしながら登ることが
大事。しっかり休み、睡眠をとり、アルコールは禁物なんだよな。

…ハッ!
アルコール以外は僕、全部高山病の要素を網羅しているよ!

九合目直前の光景

<6:44 九合 萬年雪山荘(標高3400m)>
うわっ。すっごい人ゴミだよ。メンバーを見つけて3人で集合するのもなかなか
大変なくらいだよ。
でも天気は最高だ。なんとか集まって、人ゴミの一瞬のスキをつき、
ここまでも撮って来た「○合目」ごとの写真の撮影に成功した。
やったね!

青空と雲海をバックに

写真を撮ったらすぐに出発。
せっかく暖まった筋肉が冷えたらもったいない。

しっかし呼吸が荒い。荒いのに空気が全然入ってこない。
だから頭の中がボンヤリする。周りには座り込んで酸素スプレーを使っている人が
大勢いる。
あぁ…、酸素欲しいなぁ…。

思考を一部遮断して、足を左右交互に前に出すことだけに専念します。


<7:12 九合五勺 胸突山荘(標高3550m)>
疲労と酸素欠乏でどんな人でもこの辺でペースが落ちて苦しむよね。
大丈夫、あとちょっとだから、頂上はすぐそこに見えているんだから。

次は頂上で会おう!

先に行った江成の背中を追いながら僕もゆっくり出発します。

ちょっと頭痛がする。
眠い。睡眠不足だからなのか、酸欠だからなのか…。たぶん両方だな。
ロボットのように機械的に足を交互に動かす。

呼吸をするために頻繁に立ち止まる。
シンドくて立ち止まっているのがバレたら嫌なので、写真を撮るために立ち止まって
るんだよ、みたいなくだらない強がりもしてみたりする。
こんなことができるってことは、まだ脳は動いているみたいね。

山頂まであとわずか!

<7:40 山頂 頂上富士館(標高3750m)>
平面的に見ればほんの数m先なんだけど、高さも含めると相当先、相当上に
感じられる山頂鳥居の向こうで、数分前に到着した江成がビールを飲みながら
待っている。

力を振り絞り、鳥居の下を通過。
…ハハ。ようやく山頂だー。

周りの登山客も歓声を上げてこのゴールゲートを潜って行く。
いやいや、感無量ですわ。

ゴール!!

呼吸が落ち着いたら、付近を1人で歩き回ってみます。
「頂上富士館」でステッカーとか売ってないかなぁと店員さんに質問したんだけど、
残念ながら無いそうだ。

で、「富士山登頂証明書」がここにした売っていない物だそうなので、それを購入
してみました。

バンザイが登ってきた。3人でハイタッチ!
お疲れ様!

ここで朝ごはんにします。風が強くて寒いけど、紫外線が強烈。
運動直後であまりお腹は空いていないんだけど、山で食べるごはんは
うまいなぁ。
しかもそれば日本最高所となれば、そりゃ格別ですよ。

山頂の風景

富士にカンパイ!

食後は各々が山頂神社にお参りしたり、山頂郵便局から手紙を出してみたりと
思い思いの行動をして過ごす。
…しっかし日陰はすさまじく寒いなぁ。

そして再び3人が揃ったら、「日本最高地点」に向かいます。


<日本最高地点>
「山頂富士館」から数百m。
最後の小高い丘を登り切れば、そこがまぎれも無い3776mの日本最高地点なのだ。

しかしこの丘が最高にキツイ。
ありえない傾斜の上、足場の悪いブル道。
立ってるだけでも足首がつらいくらいの勾配で、歩こうにも足元がガラガラと崩れる。
しかも手すりがほとんどないから、転びそうななのを必死に耐えながら進むのだ。

そして8:00。
とうとう僕らは日本最高所に立つことができました。
碑の前は物凄い写真待ちの行列だったけどね。

お鉢

日本最高所を
背景に

そして、下山。
昼が近づくにつれて徐々に雲が上がって来るし、そうなったらここも雨が降る。
早めに退散したほうがいいのだ。

下りのことはもう良く覚えていないや。
砂走りを駆使して猛スピードで駆け下りてみたり、途中で江成が昼寝していたり、
バンザイが行方不明になったり、転倒して頭が血だらけになったオジサンが
救助隊員に保護されていたり、聖火ランナーみたいな人が登山口に入っていく
のを見たり…。

2時間半くらいで下山し、また新五合に戻って来れました。


<ごてんば市温泉会館>
汗を流しにお風呂に行きました。
靴擦れで足の皮が破れているのですごく染みた。

お風呂に入ったら強烈な睡魔が。
ほとんど寝てないもんね…。後部シートで眠りに着く。


15:00頃。
横浜に着いたと起こされ、江成の車を下車する。
送ってくれてありがとう。この夏最初のいい思い出になりました。



そしてこの後、急遽本日に梅雨明け宣言が出されたことを知りました。


※登頂にかかった時間が4時間半。御来光にかかった時間を差し引くと
 4時間。まだまだ標準ペースよりはずっと早いけど、3年前は確か
 3時間で登頂できたので、少し弱ってきたのかな?
 まぁどうでもいいんですけど。楽しければいいよね。