Chapter.3

Chapter.2

Chapter.1

エピローグ

Chapter.4 「遠い世界に」

7.15
6:00 起床

桃岩荘の朝は6:00、「石狩挽歌」が大音量でかかるところから始まる。

昨日も一昨日も正規の時間より早起きしていたので、「石狩挽歌」は今日が初体験。
ホントにシャレにならない爆音なので、0.5秒で飛び起きました。
これが深い眠りから不快な目覚めへいざなってくれると聞いていた桃岩荘の目覚ましか…。

筋肉痛の体を引きずりながらヨタヨタと洗顔を済ませ、食堂に入った。
既に25さんが食事をしていたので挨拶。
今日は25さんも島抜けするらしい。
僕が稚内へ帰る0便よりも1時間ほど遅い、利尻島に渡る便なんだって。
でも桃岩荘を出発する時間はどっちの便も一緒だそうだ。
よかった、一緒に見送られる側になれますね。

桃岩荘の朝食

6:30までに島抜けに備え、ブルーサンダーエース号に運んでもらう荷物を提出しなければ
ならない。急いで荷造りをし、今まで使ったシーツを受付に返却する。
名残惜しいね、3日間使ったベッドスペース。
またここに戻ってくる日があるのかな?そうだといいね。

荷物を抱えてバタバタしていたら、ヘルパーのよーださんから渡したいものがあると声を
かけられた。

記念品ゲット!

7月13日の「愛とロマンの8時間コース」、そして翌7月14日の「ピヨピヨ 滝お花見ツア〜」の
完歩の記念品をいただきました。
うわ〜、ありがとうございます。こういう心遣いはとっても嬉しいです。


準備が整い、そのあとはまた桃岩荘の前に出て桃岩や猫岩を眺めながら過ごしました。
今日も最高にいい天気だ。礼文を去るのがもったいないくらいだ。

桃岩と旭日旗

猫岩と海

今日は礼文島のお祭りの日。
桃岩荘からもヘルパーと宿泊客が何人かハッピを着て参加するんだって。
「お祭り便、はっしーーん!!」
とアナウンスがかかり、ブルーサンダー号エースがゴロゴロと見返り坂を登っていくのを
見送った。


昨日知り合ったじゅんちゃんに飛行機の離着陸情報を聞いてみた。
台風4号は日本列島を総なめにしながら関東に向かってきているらしい。
朝の時点では明確な欠航情報は出ていないけど、午後には関東に台風が上陸する可能性が
あり、そうとうキワドイ状態らしいです。

わー…、どうしようね。
もし飛行機が飛ばなかったら電車?稚内からどうやって横浜まで行くんだろう?
今日中に帰れるのかな?
新幹線とかって10年近く乗っていないし、そういう手続きって苦手。
かなり不安です。
僕の自分の便を調べたいけど、ここでは電話が圏外なのでなにもできないや。


7:00 島抜け

一抹の不安を抱えつつ、桃岩荘からの綺麗な景色を目に焼き付けていると、とうとう島抜け
の時間になってしまいました。
僕ら島抜けするメンバーが、ヘルパーや連泊の人たちと向き合う。

こっち側で一緒に島抜けするメンバーには、8時間コースのリーダーのジャガ、行きのフェ
リーで知り合った25さん、ピヨピヨツアーで一緒だったでらうまさん・ケチャさん、飛行機の
相談をさせてもらったじゅんちゃんなどがいる。
思い出深い人たちと一緒に島抜けできるのはうれしいな。

「いってらっしゃーーーい!!」
「いってきまーーーーす!!」

大声で叫ぶ。ホント、ありがとう。ステキな夏の思い出が出来たと思う。

そしてギターの演奏にあわせ、ヘルパーと宿泊客の歌で島抜けメンバーは送り出される。

  ♪  遠い 世界に 旅に 出ようか ーーー

ミーティングでいつも最後に歌う、「遠い世界に」。

僕らも手拍子で答え、手を振りながら桃岩荘を去っていきます。
砂利道の見返り坂を何度も振り返りながらゆっくりゆっくり歩く。

ヘルパーと島抜けメンバー
 (まっちーさん寄贈)

桃岩荘前のお見送り

見返り坂も終盤に来ると、もうお互いの顔なんて確認できないくらい距離が離れてしまう。
しかし、桃岩荘前のみんなは声を張り上げて僕らを見送ってくれます。

「いってらっしゃーーーい!!」

こっちも負けずに振り返り、「せーの」で声を合わせて返します。
「いってきまーーーーす!!」

「また来いよーーー!!」
「また来るよーーー!!」

見返り坂の頂上を過ぎると、桃岩荘もみんなも見えなくなってしまう。
最後に振り返って大きく手を振り、そして再び歩きだす。

「… いってらっしゃーーーい … 」

何100m離れたかわからないけど、まだ見送り側の声だけは聞こえてきます。
こっちも声が届くように声を張り上げるけど、聞こえているのかな?
聞こえていないのかもしれないな。
大声を出すのが苦手な僕は、なんかもう喉が痛くて声が出なくなってしまった。
もちろんそれでも一緒になって声を出すけど。

もう内容は聞き取れないけど、かなり長い間、風に乗ってみんなの声が届いていたよ。

西海岸の見納め

桃岩荘のある礼文島西海岸に別れを告げ、桃岩タイムトンネルを通過する。
そして昨日のピヨピヨツアーでも歩った、港への近道を行くんだけど、普通にハイキング
コースみたいな山道です。
足イテーイテー。靴擦れもヒリヒリするわ。

でらうまさんが「YAMAはもう充分頑張ったから、歩かずにブルーサンダーエース号で
港まで送ってもらっても良かったんじゃない?」って言ってくれた。
いやー、それでも歩かせてください。
ちゃんと胸を張って桃岩荘のホステラーとしての王道の島抜けをしたいです。


山道を抜け、香深の町に出る。
昨日ちょっと立ち寄った「厳島神社」の近くでは祭りの準備やイベントが始まっており、
近所の人も道に出てきている。

途中でお神輿にも遭遇した。桃岩荘のヘルパーやピヨピヨツアーで一緒に歩いたメンバー
も参加していた。じゃあお神輿かつぎ、頑張ってくださいねー!

お神輿出現!

7:55頃 香深港

たっぷり時間をかけて歩き、港に到着しました。
海が最高に綺麗です。利尻富士も海上に雄大に聳えています。

まだフェリーのチケットを購入していないメンバーが受付に行きました。
僕は初日に往復券を買ってあったので、この時間に土産屋を覗きます。
そういやこの旅で土産物を購入できるタイミングってここ以外には全くなかったな。

お土産はいつものように2分で選んだ。
あ、いつもと違う点は、お土産を選んだのが僕ではなくて店の人だってコト。
店員さんがオススメを教えてくれました。
(土産 \2100)


買い物を済ませ、みんなとの集合ポイントに戻ると荷物を乗せたブルーサンダー号
エースが到着していました。
それと共に多くの宿泊客も港に来ている。

実は桃岩荘の見送りイベントは、桃岩荘の前だけでは終わりません。
港で出航するフェリーを見送るのが本番なのです。
このイベントは一般の観光客も見れるので一番有名ですよね。
ちょっとした名物になっているイベントです。
僕は昨日はピヨピヨツアーに出てしまっていたので、港での見送りを見るのは実際に
見送りをされる今回が初めてです。

とりあえず、ブルーサンダー号エースをバックに記念撮影。

25さん・でらうまさん
・じゅんちゃん・YAMA

見送りのために昨日の自炊組のメンバーも続々とやってきて、自炊組の集合写真も
自炊旗と共に撮ってもらいました。

自炊組
 (ジャガ寄贈)

写真を撮りあったり見送り側のメンバーの人とお別れの挨拶をしているうちに、海の向こうから
稚内からのフェリーが見えてきました。
あのフェリーの乗客が降りた後、僕らが乗って稚内に向かいます。
ヘルパーのツチノコさんが「おっかえりなさーーーい!!」とまだ遥か向こうにいるフェリーに
向かって叫んでいました。

香深港にフェリーが来る

フェリーが到着すると、一番最初に港に到着した僕が迎えられたときのように、
「おーーーーーい!もっもいっわそーーーー!!」
と、ツチノコさんとマイカルさんが叫びながら連携をとっていました。

この0便って、香深から乗り込む乗客がすごく多いみたいで、港には100数十人の乗客が
列を作って乗船待ちをしています。
だから全く知らない人にすごくビックリした顔で見られたり、桃岩メンバーは写真に撮られ
てたりしていたよ。

僕らもそろそろ列に並ぶ。
ヘルパーのツチノコさんやマイカルさん、そして見送りメンバーの人たちは、列の進みに
合わせて一緒についてきてくれる。
次の便で利尻島に行く25さんともここでお別れ。
じゃあこの後、僕を見送ってくださいね。

おしゃべりをしながら列を進み、タラップから船に乗り込むところでツチノコさん・マイカル
さんとお別れの握手。
「行ってきます!」と元気よく言い、タラップを登った。


船内に入り、ジャガの後ろについて急いで後部デッキを目指す。
後部デッキで桃岩荘最後のお見送りが行われます。
デッキのイスにみんなで荷物を固めて置き、地上を見下ろすポジションにつきます。

「最後に皆さんと一緒にミーティングでの歌と踊りをやって、お別れしたいと思います!!」

ヘルパーがそう言い、地上のみんながミーティングでやった歌と踊りをします。
こっちのフェリーメンバーも一緒に歌い、そして踊りをする。
まぁ、デッキが混みあっているのでハデな動きは出来ませんけど。

最後まで踊る桃岩荘

こんなことをするもんだから、他の観光客の人もビックリしたりする。
「何の集団なんだろう?」と言っている人もいるし、一緒になって手拍子して歌う人もいるし、
「桃岩荘がいたぞ!」と言って写真撮影しに向かってくる人もいる。

とにかく礼文名物(←迷物?)ですからかなり注目されているみたいですけど、別にもう関係
ないですよね。他の人たちの視線なんて眼中に入らなかったです。

ヘルパーの挨拶

「桃岩荘は、また皆さんと歌って踊れる日が来るのを待っています!
いつの日か、また桃岩荘に帰って来てください!」ヘルパーが挨拶をする。

そして、本当に最後の「遠い世界に」を歌う。

  ♪  遠い 世界に 旅に 出ようか ーーー

もう、この曲がこの旅行で一番印象に残る曲になっちゃったよ。
別れにはピッタリ来る曲だと思う。

   ーーー みんなで歩こう 長い道だが   一つの道を 力の限り
                      明日の世界を 探しに行こう
  


歌い終わると同時に「ボーーッ!」と船が汽笛を上げ、動き出した。
ゆっくりと、見送るみんなとの間に海が出現する。

デッキの前のほうで紙テープを使ってお別れしているのは「民宿なぎさ」だったっけ?
「星観荘」の人もギターで別れを盛り上げている。
このご時勢、こういうことをできるのって大事だよなぁ…。

8:45 出航

見送りメンバーが叫ぶ。
「いってらっしゃーーーい!!」
こっちも「いってきまーーーーす!!」

離岸するフェリーから

「また来いよーーー!!」
「せーの… …  また来るよーーー!!」

フェリーはみるみる港から遠ざかっていってしまいます。
すぐに港のみんなが米粒大の大きさになってしまいました。
でも、もちろん両者とも声の届く限り叫び続けます。

遠ざかる島

左の写真の一部を拡大

島の形が把握できるほど遠ざかっても、もう波にかき消されて声が届かなくても、
見送り組が振っている桃岩荘の旗がいつまでも見えていました。
桃岩荘のお見送りは、他の宿のお見送り部隊が帰っても、フェリーが見えなくなる
まで続けるそうです。


もうずいぶん沖まで来ちゃって何も見えないんだけど、しばらくは香深港のあたり
から目を離すことは出来なかった。



…行ってきます!

島は遠く

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